進化止まらん16歳!久保凛 田中希実と同組で全体1位突破 目指すは初出場初優勝「高校記録や五輪標準タイムを切ること」

 「陸上・日本選手権」(29日、デンカビッグスワンスタジアム)

 16歳の進化が止まらない。久保はスタートからグングンと加速し、レースを先導。そのままトップを譲らず、2分03秒60の全体1位でゴールした。「最初から自分のリズムで引っ張るという、思い通りのレースができた。予選を1番でゴールできて安心した」と、息を切らせながらもハキハキとレースを振り返った。

 1500メートル、5000メートルパリ五輪代表の田中希実(ニューバランス)や卜部蘭(積水化学)と同組。中盤以降は経験豊富な2人に追い上げられたが、久保は驚異の粘りで最後までトップを譲らなかった。「ちらっと掲示板(でレースの様子)が見えたが、焦らずにスピードを上げることができた」と話し、「憧れの選手よりも早くゴールできたのは自信になる」と笑顔を輝かせた。

 4月の選抜中・長距離大会女子800メートル(タイムレース)で初めて田中と同じトラックを走り、0秒73差をつけて優勝。今回は0秒76差で再び勝利した。サッカー日本代表・久保建英のいとことして注目を集めたが、今は自分の実力だけを武器に堂々と全国の舞台で勝負している。

 目指すのは「優勝と高校記録(2分2秒57)や、パリ五輪の標準(1分59秒30)を切ること」と自分に課す課題も大きい。「まだ余裕があるので、決勝は予選よりもいいタイムでいきたい」。力強い言葉で初出場初優勝を誓った。

 ◆久保 凛(くぼ・りん)2008年1月20日、和歌山県串本町出身。小学5、6年のときに県内の大会で記録を出したことをきっかけに、中学1年で本格的に陸上を始めた。父・健次郎さんの兄の子供が久保建英。小学1年から6年までサッカーをし、ポジションは右サイドハーフ。6年時に串本ジュニアFCとして近畿大会出場。陸上では昨年の全国高校総体を高校1年で初優勝した。167センチ。

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