田中希実は7位で3冠ならず 4日間で5レース完遂もパリへ不安吐露し涙「怖い」 初優勝の久保凛に脱帽「圧倒的な自信があるからこそ」

 レース後、久保凛(左)に声をかける田中希実(撮影・吉澤敬太)
 女子800メートル決勝 優勝した久保凛(中央)。左から2人目は田中希実
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 「陸上・日本選手権」(30日、デンカビッグスワンスタジアム)

 女子800メートル決勝が行われ、5000メートルと1500メートルでパリ五輪代表に内定している田中希実(24)=ニューバランス=は2分5秒14で7位に終わり、1500、5000メートルに続く3冠はならなかった。昨年インターハイ女王の久保凜(16)=東大阪大敬愛高=が2分3秒13で初優勝。8年ぶりの高校生女王に輝いた。

 残り250メートルから徐々に順位を上げて、先頭に出たが、直後の久保の仕掛けについていけず、直線では後退した。

 田中は今大会1500メートルを4分1秒44の大会新記録で走り、五輪参加標準記録(4分2秒50)を突破して内定。すでに内定していた5000メートルでも2位に約11秒差をつけて圧勝し、3年連続の2冠を達成していた。

 3冠はならなかったが、4日間で3種目5レースのハードスケジュールを完遂した。

 レース後は「(久保には)おめでとうと伝えました。最後伸びなかったのは悔しいですけど、攻めのレースはできたかな」と、振り返り、久保については「落ち着いたレース運びで、他の選手に左右されず走っている。それは圧倒的な自信があるからこそ。私もそういった力をつけて、彼女と向かい合えるようにしたい」と、たたえた。

 パリ五輪に向けての思いを問われると、涙。「手応えはあるのですが、私と同じように海外選手もどんどん殻を破りつつある時期。今までの中で一番いい状態でパリにいけるけど、ちゃんと表現できるかわからない。最低限ができただけ。4日間走り切れたことがうれしいのと、これから改めて五輪がみえてきたのが怖い」と、不安もはらんだ現状を吐露した。

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