「陸上・日本選手権」（３０日、デンカビッグスワンスタジアム）

　パリ五輪切符をかけて女子１００メートル障害決勝が行われ、福部真子（日本建設工業）が１２秒８６（向かい風０・２メートル）で２年ぶり２度目の優勝。前日の準決勝で五輪参加標準記録（１２秒７７）を突破する１２秒７５を記録しており、内定となった。

　福部は昨年大会の決勝、３位なら世界選手権代表入りが内定する状況で大接戦のゴール後、当初１位と表示され歓喜したが、その後の正式タイムが再表示されて４位となり、代表切符を逃した。まさかの順位誤表示で感情を揺さぶられ大号泣した。「去年のあの瞬間を一回も忘れたことはない。でもあれがあったからこそ、踏ん張ったところはあった」。涙を力に変えて、正真正銘の１位の結果と、パリ五輪切符を手にした。

　優勝者インタビューでは「去年４位になった瞬間から誰よりも早くパリ五輪の準備を始めたつもり。私らしいといえば、私らしい、山あり谷ありの競技人生。去年があって、今の私がある。１２秒８、７では話にならないレベルになっている。もう１、２段階ギアを上げられるように準備したい」と、晴れやかな笑顔で語った。

　昨年の世界選手権代表の田中佑美（富士通）が１２秒８９で２位、東京五輪代表の寺田明日香（ジャパンクリエイト）が１２秒９１で３位だった。