モデル挑戦の美しきハードラー、田中佑美は涙の2位 パリ切符は世界ランク次第…「勝ちたかった」 寺田は2大会連続五輪厳しく「日本選手権は最後かも」

 「陸上・日本選手権」(30日、デンカビッグスワンスタジアム)

 パリ五輪切符をかけて女子100メートル障害決勝が行われ、昨年の世界選手権代表の田中佑美(富士通)は12秒89(向かい風0・2メートル)で2位。参加標準記録は突破できず、パリ五輪へは世界ランキングポイント次第となった。東京五輪代表で、ママさんハードラーとして知られる寺田明日香(ジャパンクリエイト)は12秒91の3位に終わり、2大会連続の五輪代表入りは厳しくなった。福部真子(日本建設工業)が12秒86で2年ぶり2度目の優勝。前日の準決勝で五輪参加標準記録(12秒77)を突破する12秒75を記録しており、内定となった。

 モデルもこなすなど、美しきハードラーとして、注目を浴びる中、着実な躍進をみせていた田中。前日の準決勝で12秒85の自己ベストをマークしたものの、標準記録突破はならず。インタビューでは涙。「悔しい。日本選手権でスピードは一番でたけど、今回はパリに行きたかったので。ポイントでまだ分からないけど、悔しい」と、唇を噛んだ。

 選考を振り返り「陸上やべぇなと思えた。それだけ陸上が好き。追い込まれていたのもあるけど。五輪が陸上の全てではないけど、勝ちたかった」と、語った。

 寺田もレース後涙を流し、「色んな思いが溢れた。残念です。やれることはやったので涙になったのかなと」と、語った。今後については「本当に何も言えなくて。今日が日本選手権最後になるかもしれない。退くときは色んな方の前で走ってやめたいと思ってる」と、話すにとどめた。

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