登坂絵莉さん、吉田沙保里&伊調馨を将来の新紙幣候補として熱望?「レスリングはジェンダーギャップ感じなかった」新五千円札記念イベント

 津田梅子の新五千円札発行記念イベントに参加した登坂絵莉さん(左)と岩渕真奈さん
 5000mリレーのアンカーとして激走する岩渕真奈さん(左)と登坂絵莉さん
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 女子レスリング元日本代表で16年リオデジャネイロ五輪48キロ級金メダリストの登坂絵莉さん(30)が3日、都内で行われた新紙幣発行記念イベントに出席した。日本初の女子留学生として世界に羽ばたいた津田梅子が新五千円札にデザインされたことを記念し、スポーツなど各分野で女性が活躍するための“未来へのバトン”をテーマーにしたトークセッションに登壇。自身はレスリングを通じて国際舞台で輝き、引退後はメディア出演などでも活躍しているが、「津田梅子さんは6歳から留学されて信念を持って活動された。そういった背景を知ることで、自分も女性として頑張るぞと勇気づけられた」と声を弾ませた。

 性別による社会的格差を表す「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は146国中118位と低迷が続いているが、スポーツ界でも女性役員や指導者が少ない現状がある。また、津田塾大の高橋裕子学長は、男性アスリートに比べて、王貞治や大谷翔平のような国民的ヒーローになる女性アスリートが少ないことにも社会のジェンダー規範が影響しているのではないかという見解を示した。

 一方で、レスリングの場合は女子種目が2004年アテネ五輪から採用されて以降、3連覇の吉田沙保里、4連覇の伊調馨という国民栄誉賞も受賞した2大スーパースターが輝いていただけに、登坂さんは「レスリング界は沙保里さんや馨さんみたいにものすごい人たちが出てきた分、あんまりジェンダー・ギャップを感じなかったのも正直なところ。むしろ男子よりも(メディアに)取り上げていただいたりした」と述懐。社会規範を突き抜けるほどの“強さ”で女子スポーツ界を象徴してきた2人のレジェンドは、将来の新紙幣候補になってもおかしくないのでは?との問いには「それはちょっと思いました(笑)」とうなずいた。

 それでも、協会の役員や指導者で女性は依然少なく、審判でも女性が出産を経た後は続けにくい現状があるという課題を明かした。レスリング界よりも女性指導者が多いイメージを持っていたという柔道界でも圧倒的に女性が少ないというデータを知り、「もっともっとレスリング界から改善して、社会にいい影響を与えたいという気持ちがある」と使命感をにじませた。

 また、イベント後半では新五千円札にちなみ、学生らとともに5000メートル(200メートル×25人)リレーに参加。アンカーとしてバトンを受け、元サッカー女子日本代表の岩渕真奈さんとデッドヒートを繰り広げたが、最後はリオ五輪決勝のスタドニク戦ばりの最後の追い上げで接戦を制し、現役時代さながらの勝負強さで沸かせた。

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