亡き恩師にささげる栄冠 クレイチコバ、聖地で万感

 女子シングルスで初優勝し喜ぶバルボラ・クレイチコバ=ウィンブルドン(ゲッティ=共同)
 女子シングルス決勝でプレーするバルボラ・クレイチコバ=ウィンブルドン(ゲッティ=共同)
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 テニス強国の系譜をつないだ。28歳のクレイチコバはウィンブルドン女子シングルスで頂点に立ち、2021年全仏オープンに続く2度目の四大大会制覇を果たした。フルセットの接戦を制し「最後に少し運が良かっただけ。ここに立っていることが信じられない」とコート上のインタビューでは感激の面持ちだった。

 チェコは大会最多9度の優勝を誇るマルチナ・ナブラチロワの出身地だ。ペトラ・クビトバは11、14年大会、マルケタ・ボンドロウソバは昨年大会を制した。クレイチコバは1998年大会女王のヤナ・ノボトナの薫陶を受け「聖地」の記憶を耳にし、そして目標としてきた。若くして亡くなった恩師にささげる栄冠でもあった。

 女子ダブルスでは四大大会全てを制しているが、シングルスにこだわり続けた。今大会はボレーやドロップなどの技で格上を撃破した。優勝候補が次々と姿を消した混戦で、豊富な経験を強みとした。「ノボトナと同じトロフィーを持っていることが信じられない」と万感の思いを込めた。

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