久保凛16歳 19年ぶり日本新 800m日本女子初1分台 28年ロス五輪へ猛アピ
「陸上・長距離強化記録会」(15日、橿原公苑陸上競技場)
女子800メートル(タイムレース)で、久保凛(16)=東大阪大敬愛高2年=が1分59秒93の日本新記録を樹立した。杉森美保が2005年にマークした2分0秒45を19年ぶりに塗り替え、日本女子初の1分台となった。
16歳の勢いはとどまるところを知らない。タイムレース3組で、久保が1分59秒93の日本新記録を樹立した。2着に5秒以上の大差をつけてのゴールは、日本女子初の1分台への突入。6月30日に新潟で行われた日本選手権、2分3秒13で初めて日本一に輝いた女王が、今度は記録で日本のてっぺんに上り詰めた。
この記録は今シーズンの世界では62位に相当する。今季世界1位はホジキンソン(英国)の1分55秒78で、世界記録はクラトフビロバ(チェコ)が1983年に出した1分53秒28。日本選手権で田中希実らを抑えて優勝した後「世界では2分を切る人が当たり前。その差を縮められるように、来年は1分台が目標」と語っていたが、来年どころか今年中に達成してみせた。
サッカー日本代表MF久保建英(レアル・ソシエダード)をいとこに持つ日本女子中距離界の逸材。末恐ろしい16歳には、来年の東京世界選手権、そして2028年ロサンゼルス五輪への期待が膨らみ続けている。
◇久保 凛(くぼ・りん)2008年1月20日、和歌山県串本町出身。小学5、6年のときに県内の大会で記録を出したことをきっかけに、中学1年で本格的に陸上を始めた。父・健次郎さんの兄の子供が久保建英。小学1年から6年までサッカーをし、ポジションは右サイドハーフ。6年時に串本ジュニアFCとして近畿大会に出場した。陸上では昨年の全国高校総体を高校1年で初優勝した。167センチ。