朝乃山 左膝を負傷「前回より厳しい状態」夏場所全休から復帰直後も 再出場しなければ十両転落確実
「大相撲名古屋場所・4日目」(17日、ドルフィンズアリーナ)
平幕朝乃山が一山本に押し倒されて初黒星を喫した際、左膝を負傷した。4月に右膝を負傷して夏場所を全休。復帰した場所でまたもアクシデントに見舞われた。横綱照ノ富士は御嶽海を寄り切って4連勝。全勝だった関脇霧島ら他の4人がいずれも敗れたため、早くも単独トップに立った。かど番の大関貴景勝は翔猿に屈して3敗目を喫した。
朝乃山をまたも悪夢が襲った。立ち合いから一山本に押し込まれて左足で踏ん張った次の瞬間、膝が内側に入った格好で尻もちをついて転倒。自力で立ち上がれず、車いすで花道を引き揚げた。
4月25日の木更津巡業で右膝内側側副靱帯(じんたい)を損傷。夏場所全休から復帰した直後、今度は左膝だ。負傷した取組の審判を務めていた師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)は「靱帯とかじゃなければいいけど」と沈痛な面持ち。応急処置に付き添った部屋付きの若松親方(元幕内朝乃若)は「本人は『前回より厳しい状態じゃないか。ひどい感じがする』と言っていた」と明かした。
朝乃山は昨年の名古屋場所で左上腕を痛めて以降は故障続き。夏場所までの6場所で4度休場した。5日目以降の出場について、師匠は「難しいと思うけど、しっかり治すこと」との見解。再出場しなければ、来場所の十両転落は確実となる。
朝乃山は終始硬い表情。最初に到着した救急車では体重169キロを搬送できず、ハイパーレスキュー隊の特殊災害対応車に車いすごと乗せられて病院へ向かった。復活を目指す30歳の元大関に厳し過ぎる試練が訪れた。