大の里 無傷の照ノ富士に土 夏場所に続く横綱連破で6勝目「何とか動こうと思った」

 照ノ富士(手前)を突き落とす大の里(撮影・持木克友)
 座布団が舞う中、引き揚げる照ノ富士
2枚

 「大相撲名古屋場所・11日目」(24日、ドルフィンズアリーナ)

 新関脇大の里が、全勝だった横綱照ノ富士に土をつけた。技ありの突き落としを決め、夏場所に続く横綱連破で6勝目。再び白星を先行させ、大関とりの足固めとなる2桁勝利を目指す。大関琴桜は関脇霧島に寄り切られて3敗目。かど番の大関貴景勝は豪ノ山を下して5勝目を挙げた。初黒星の照ノ富士が単独トップ1敗で、後続との2差は変わらず。3敗は琴桜、豊昇龍の両大関ら5人。

 連勝街道を突っ走る横綱を、大の里が止めた。立ち合いであっさり左上手を引かれたが「何とか動こうと思った」と鋭く反応した。相手が出てきた瞬間、生命線の右下手を離して左からの突き落とし。照ノ富士をバッタリ腹ばいにさせると、座布団が舞う中を意気揚々と引き揚げた。

 前日は今場所2度目の連敗で5敗目。苦境に立たされ、逆に吹っ切れた。「悪い流れでずっと来ていたので、思い切っていこうと思った。また気合を入れ直して5日間、しっかり頑張ろうと」。十両白熊との日課になっている夜食は、すしをたらふく平らげて気分転換。前日の取組後に「存在感がないので、しっかり存在感をアピールしたい」と話していた言葉を現実にし、今場所初めて取材に応じないほどの屈辱を横綱に味わわせた。

 秋場所で大関とりに挑むためにも、1勝でも多い上積みが重要。12日目の貴景勝戦から、大関豊昇龍との対戦も予想される。「苦しい土俵が続いているけど、まだ場所は終わっていない」。次代を担う大器の目に、ギラギラした輝きが戻った。

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