日本の北京五輪フィギュア団体戦銀メダルが確定 パリ五輪中にメダル授与へ IOC「選手を連れてくる」 CASがワリエワ失格巡る露の控訴棄却

 スポーツ仲裁裁判所(CAS)は25日、フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(ロシア)のドーピング失格による22年北京五輪団体戦の順位変更を巡るロシア側の控訴についての裁定を発表し、棄却した。「ワリエワの失格は正しく、ROCに金メダルを授与することはできないという結論を下した」と説明した。これにより、米国の繰り上がり金メダル、日本の繰り上がり銀メダル獲得が確定した。

 国際オリンピック連盟(IOC)は決定を受けて、「この決定は24年パリ五輪期間中に金メダルと銀メダルの割り当てを可能にするのに間に合うように行われました。IOCは今後、ISUの修正結果に基づき、チャンピオンズパークで式典を開催するために、ISU、USOPC、JOCと協力して選手をパリに連れていく予定です」と、パリ五輪期間中にメダル授与式を行うことを発表した。北京五輪団体戦で日本は女子の坂本花織、樋口新葉、男子の宇野昌磨、鍵山優真、ペアの三浦璃来、木原龍一組、アイスダンスの小松原美里、尊組で団体戦に出場した。

 また、CASは同じく順位変更を巡り、控訴しているカナダについては審議中とした。

 同件を巡っては北京五輪から2年以上が経過した現在もメダル授与に至っていない。26日に開幕するパリ五輪期間中に授与式が開催される方向で調整されている。

 ワリエワを巡っては、1月30日にCASが4年間の出場停止と同期間の成績抹消処分を発表。これを受けて、ISUが北京五輪団体戦について、2位だった米国を金メダル、3位だった日本を銀メダルに繰り上げ、1位だったロシア五輪委員会(ROC)を銅メダルに繰り下げる順位を発表した。しかし、露側は拒否する意向を示し、順位を巡ってCASに提訴。また、4位のままに終わったカナダも異議を申し立ててCASへと提訴していた。

 ISUの判断ではワリエワの女子SP、フリーとも1位の各10点を失格で0点に。ペアとアイスダンス、男子シングルの順位点で総合得点54点とされ、米国(65点)、日本(63点)に次ぐ3位とした。カナダは53点で4位だった。ただ、ISUの規程では失格者が出た場合、「失格した競技者よりも順位が下位だった選手はそれに応じて順位が上がる」とされているが、女子SPとフリーの順位点は繰り上がっておらず、カナダ側はSP、フリーでそれぞれ1点ずつ加点され、ROCとの順位が入れ替わると主張していた。

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