退任のブラン監督がパリ五輪総括 死闘伊戦の責任背負う主将かばう「石川選手に責任はありません」再登板への思いも「近い将来また一緒に。願ってます」

 日本バレーボール協会は16日、パリ五輪を戦った男女日本代表監督の総括コメントを発表した。

 今大会を持って退任となった男子のフィリップ・ブラン監督は「私はオリンピックでメダルを獲得することができませんでした。私が手にしたことのない唯一のメダルだっただけに、個人的には非常に残念です。スタッフや選手達が懸命に努力してきた夢、つまり日本のオリンピックメダリストに名前を刻むという夢を達成させてあげられなかったことが本当に悲しいです」と、準々決勝敗退で終わった大会を振り返った。

 ネーションズリーグでの銀メダル、直前の強化試合でのポーランド撃破と最高の流れで本大会を迎えたが「オリンピックは特別な大会です。感情のコントロールがチームのパフォーマンスにおいて特別な役割を担う大会なのです。オリンピック史上最もレベルの高い大会の1つである今回のパリ2024大会ではなおさらです。オリンピックのメダルを獲得して日本のバレーボール競技の歴史に1ページを刻みたいと告げるとき、その任務の重大さに直面し、自分自身の感情をコントロールすることは至極困難です」と語った。

 特に1次リーグ初戦のドイツ戦での敗戦について「準々決勝で敗れたのは事実ですが、今大会の本当のターニングポイントはドイツとの第4セットでした。私たちはこのセットに勝つ、つまりセットカウント3ー1で勝利を収める十分な可能性がありました。そうなっていれば、精神的にも、また準々決勝前の順位も、完全に変わっていたでしょう」と悔やんだ。

 マッチポイントを計4度握りながら敗れた準々決勝イタリア戦については「目標を達成できなかったとしても、2022年の世界選手権王者であるイタリアに、準々決勝ではじられないようなパフォーマンスを発揮しました。試合時間は2時間24分、総得点は日本114点、イタリア113点でした。このような結果に対し、非常に残念な思いを抱くことは当然です。イタリアが私たちよりもうまく切り抜けていたとはいえ、マッチポイントが4回あったのですからなおさらです」と胸を張り、「この敗戦の責任は誰にもありません。ましてや、すばらしいキャプテンであり、アメリカとの厳しい試合から立ち直ってイタリア戦で32得点を挙げた石川祐希選手に責任はありません」と、試合後に敗戦の責任を背負った主将をかばった。そして「このオリンピックまでの間に、私たちはすでに日本のバレーボールの歴史を何度も塗り替えてきました。私は代表選手全員をとても誇りに思っていますし、もしもう一度やり直すことになっても同じ選択をするでしょう」と、強調した。

 また監督として協会のサポートにも感謝の言葉を並べ「カントクとして、これ以上の仕事仲間を望むことはできませんでした。チームを率いることは常に冒険であり、私は自分の仕事に情熱を持っています。そして、東京とパリの2回のオリンピックを共に経験させてくれた選手たちに感謝したいと思います。あなたたちが私を信頼してくれたので、育成においてもプロジェクトの指揮においても、私はその期待に応えようと努めました。私はこれからも、日本代表チームのファンであるだけでなく、あなた方選手たちのファンであり続けます。あなたたちは皆、まだまだ多くのことを見せることができます。そして、スキルを伸ばし続けるためにオープンな心を保ってください。さらにプレーを楽しむことができるでしょう」と呼びかけた。

 今後韓国のチームで指揮を取るブラン監督だが、最後に将来的な再登板への思いも覗かせた。「私たちの共同作業は本日をもって終了します。今回は決断のタイミングが合いませんでしたが、近い将来、また一緒に仕事ができる機会があることを願っています」と、結んだ。

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