関学大アメフト部員5人処分 大麻使用を否定「協会と相違」 U20日本代表遠征で重大な規律違反

 会見する関学大の(左から)小野宏ディレクター、池埜聡部長、大村和輝監督(撮影・中田匡峻)
 甲子園ボウルで6連覇を達成した関学大アメフト部=23年12月
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 大学アメフトの強豪で甲子園ボウル34度優勝の関学大が30日、U-20(20歳以下)日本代表として6月にカナダで行われた世界選手権に参加した部員5人が、大麻使用の可能性により日本アメリカンフットボール協会から処分されたと発表した。うち1人は、日本協会が要請した毛髪検査を指定日までに受検しなかったため代表資格の無期限停止。ただ5人は大麻使用を否定し、同部で実施した尿検査も陰性だった。チームは9月3日初戦のリーグ戦に出場するが、当該選手は当面の活動を停止する。

 甲子園ボウル6連覇中の名門に衝撃が走った。6月22~30日にカナダで行われたU-20世界選手権に日本代表として参加した部員10人のうち5人について、帰国翌日の7月3日に大麻使用の可能性を指摘する情報提供があった。学内調査で5人は使用を否定し、尿検査も全員陰性だった。

 同様に情報提供を受けた日本協会も5人に対して毛髪検査を要請。3人は検査を受検したが、うち2人は指定日時の8月10日までに受け入れなかった。その後1人は14日に受検したが、残り1人は現在も受検しておらず、協会から代表資格無期限停止処分がなされた。

 同部の小野宏ディレクターは「1人の無期限活動停止は毛髪検査を受けなかったためで、大麻所持・使用の事実に関わるものでない」と説明。毛髪受検を拒否した理由についても公表し、「代表内や保護者から証拠もなく使用のうわさを立てられ、無断で荷物を調べられた。日本協会のヒアリングも威圧的態度で面接が行われた」など、大麻使用したと決めつける扱いを受けたことへの抗議の意志を含めた受検拒否だとした。部としても毛髪検査を促したが意志は固く、現在は髪を短く切っているという。

 部内調査により、5人は遠征中に電子水蒸気たばこの一種を購入・使用したり、購入店舗に付き添うなどの行為があったことも判明している。代表に帯同していた大村和輝監督は「心当たりはなかった。疑義が起こることがわれわれの部員に出たのは残念。力のなさを感じる」と頭を下げた。

 9月初旬に日本協会から処分理由の資料が届く予定で、資料に基づき対応を検討するとした。判断が出るまで5人の活動は停止する。小野ディレクターは「尿検査は全員陰性で、使用事実はないと判断している。この点は日本協会の発表と相違がある」と説明。池埜聡部長は「どこまで真実に近いのか、そうでないのか見極めたい。それを踏まえて対応したい」と慎重な姿勢を示した。

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