フィギュアスケート男子の宇野昌磨さん（２６）が１０日、都内で２２年北京五輪の団体銀メダルを授与された。女子のカミラ・ワリエワ（ロシア）のドーピング違反に伴う混乱で、日本の銀メダルと２位だった米国の金メダルの繰り上げが決定していた。宇野さんはパリ五輪期間中の８月７日に行われたメダル授与式に、スケジュールの都合が合わず出席していなかった。

　約２年７カ月ぶりに銀メダルを手にし、「こういうお披露目の場を設けて頂けてフィギュアスケート日本代表の一員としてうれしく思います」と笑顔。「僕たちはいつも個人競技。この前のパリオリンピックとか見ていても、いろんな団体戦がすごくいいなと思っていた。この銀メダルは団体一丸となって取ったものですけど、もっともっとフィギュアスケートでもシングルだけでなく、（団体も）選手も見る側も熱くなれるといいなと思います」と思いを語った。

　直近のパリ五輪は「男子体操をすごく見ていた」という。男子団体総合では日本が劇的大逆転で金メダルを獲得。宇野さんは「僕は個人競技なので、団体といっても日にちが別れていてタイムリーじゃない。体操はわずか数時間で全てが決まる。一つのミスも許されないところで、スポーツならではのすごさがありました」と、感激していた。

　自身は昨季限りで現役引退したばかり。現役中に届かなかったメダルをようやく手にした。「パリを見ていたからこそ、自分もあの舞台に立っていたんだな、と感じる。現役を退いてまだ間もない身ではありますけど、テレビの前で活躍されているかっこいいみなさんの姿に過去なれていたんだなと僕にとっても誇らしく思う。一歩下がって自分の成績、スケート人生を振り返ると本当に誇らしく思う」と立場が変わったからこそ感じられた喜びを語った。