パリ五輪“疑惑のルーレット”当事者の斉藤立、大反響も複雑胸中「闇の力とかヤラセじゃない」「いじられるのは自分が負けたから」

 パリ五輪柔道男子100キロ超級代表の斉藤立(22)=JESグループ=が10日、都内で行われた上月スポーツ賞の表彰式に出席した。パリ五輪の混合団体決勝のフランス戦では、ルーレット抽選を経て臨んだ代表戦でリネールに敗れ金メダルを逃したが、あまりにできすぎた展開とあって大きな話題となった。当事者である斉藤は「ルーレットのことをいじられるのは(代表戦で)自分が負けたからと思っていて、悔しさは強くなっている」と心境を明かした。

 パリ五輪では、混合団体決勝の日本対フランス戦で3勝3敗と並び、代表戦を行う階級を選ぶ際に登場したデジタル画面上でのルーレットで「+90kg(男子90キロ超級)」に決定。地元フランスの英雄テディ・リネールと斉藤が再び激突し、6分を超える激闘の末にリネールが劇的な勝利を挙げて金メダルを決めた。白熱の名勝負となった一方で、あまりにフランス側にとってできすぎた展開に、日本国内では“リネール確定ガチャ”などと揶揄する声も挙がるなど大きな話題となった。

 大会後、テレビ番組出演時などに混合団体決勝の話題を聞かれることが多いが、この日の表彰式でも歓談中の壇上で行われたトークセッションで例のルーレットのことについて聞かれる場面があり、「自分は(自身の90キロ超級が)来ると思っていた。闇の力が働いたとかじゃなくて、天から降りてきた(チャンス)とか、そっち系。ヤラセとかじゃない」と当事者としての見解を語った。

 陰謀論も含めて大きく盛り上がっただけに「反響はすごい」と受け止めつつ、勝っていれば騒動にすらならなかった可能性が高いだけに「ルーレットをいじられるのは、やっぱり自分が負けたからだと思っていて、悔しさは本当に強くなっている。見ていて自分はすごく(団体決勝の敗戦を)思い出すし、自分が負けたからそういう風になったんだなという気持ちは強い」と複雑な心情を吐露。会場で用意された焼きそばや寿司に舌鼓を打ちつつ、「本当に自分は(パリ五輪で)落ち切った。4年後はあっという間なので1日1日、今日が最後の日だというくらいの気持ちで出し切っていく」と、28年ロス五輪での雪辱金メダルへ決意を込めた。

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