貴景勝休場 今場所で大関復帰消えた 首痛で無念の決断、再出場意向なし 常盤山親方「とにかく無理はさせない」
「大相撲秋場所・3日目」(10日、両国国技館)
関脇貴景勝(28)=常盤山=が3日目の10日、休場した。慢性的な首痛を抱え、初日から連敗していた。休場は2場所ぶり通算14度目。再出場の意向はなく、10勝以上が条件の1場所での大関復帰は事実上なくなった。幕内の土俵では平幕玉鷲が初白星。初土俵以来無休の通算連続出場を1631回とし、歴代単独トップに立った。大関陣は琴桜が3連勝としたが、豊昇龍は熱海富士に屈して2敗目。全勝は琴桜、関脇大の里ら6人となった。
大関返り咲きを目指した貴景勝が、無念の決断を強いられた。師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)によると、2日目の夜に本人から「首の状態がよくない」と休場の申し出があったという。同親方は「(残りは)全休になります。首は大切な場所。とにかく無理はさせない」と明言。今場所での大関復帰の可能性は消滅することになった。
貴景勝はかど番だった名古屋場所で負け越して大関から陥落。夏巡業を全休して治療と調整を続けてきたが、相撲をとる稽古は再開できなかった。ぶっつけ本番の今場所は初日から力なく2連敗。不調は明らかだった。
来場所は2018年名古屋場所以来6年ぶりとなる平幕に番付を落とすことになる。師匠は「まだ28歳になったばかり。相撲を続けたい気持ちは強いと思う。そういうふうに感じました」と心情を推察。今後については「今のところは続行するような形だと思っている。すぐに(進退が)どうのこうのはない」と見解を示した。
長期休場して治療し、再起を図ることも選択肢の一つに認めた常盤山親方。一方で「本人の気持ちを一番に尊重して、見守っていくしかない。いい方向に行くように、またいろいろ話したりしなくちゃいけない」と、改めて本人の意思を確認することを示唆した。大関在位30場所、優勝4回を誇る貴景勝に、これまでにない試練が訪れた。