正代 初日から平幕唯一の無傷4連勝 4年ぶりも自虐発言連発「慣れないことをするもんじゃない。疲れます」
「大相撲秋場所・4日目」(11日、両国国技館)
正代が若元春をすくい投げで退け、平幕唯一となる無傷の4連勝を飾った。初日から4連勝は自身4年ぶり。先場所も2桁勝利の元大関が、復調気配を漂わせている。大関琴桜は熱海富士を寄り切って無敗をキープ。大の里、霧島の両関脇も4連勝とした。大関豊昇龍は翔猿に不覚をとり、2連敗で3敗目。全勝は4人となった。
強い正代が戻って来た。立ち合いから自慢の圧力で前進。得意の左四つで右上手を引いた若元春に逆襲されたが、土俵際で左からすくって押しつぶすように投げ勝った。スケール感のある勝ち方で、館内をうならせた。
愉快な正代も戻って来た。相撲内容には「勝てるのは前に出ているから」と手応えを口にしつつ、4連勝発進には「慣れないことをするもんじゃない。疲れます」と“自虐キャラ”を発動。大関昇進前の2020年初場所以来と聞くと「あったな~、そんなことも。忘れちゃったな~」とつぶやき「勝ち続けてからの負けは、普通の負けよりドッと来る」と、持ち味のネガティブ発言で笑わせた。
名古屋場所では8場所ぶりの2桁勝利。「先場所の流れを引っ張っている感じではない」という感覚が、逆に充実ぶりを物語る。体重も初優勝時とほぼ同じ169キロ。幕内後半戦の粂川審判長(元小結琴稲妻)も「体調がいいってことでしょ」と復調を感じとった。
好スタートにも、疲労度を「10日目ぐらいの感じがする」と後ろ向きに表現した元大関。“通常運転”が続くほど、三役返り咲きに近づく成績も見えてくる。