王鵬 全勝の琴桜止めた!“横綱の孫対決”5度目で初白星「やっと勝てたな」 結びの一番で先輩に“恩返し”

 「大相撲秋場所・5日目」(12日、両国国技館)

 平幕王鵬が、全勝だった大関琴桜に土をつけた。熱戦の末に寄り切って“横綱の孫対決”に5度目で初白星。結びの成績を5戦4勝とし、祖父譲りの大舞台での強さを見せつけた。関脇大の里は隆の勝を下して5連勝。大関豊昇龍は御嶽海を寄り切って2勝目を挙げ、連敗を2で止めた。全勝の大の里が単独トップに立ち、1敗で琴桜、霧島ら7人が追う。

 大一番に血が騒いだ。昭和の大横綱・大鵬を祖父に持つ王鵬のDNAが、熱狂渦巻く館内で本領を発揮した。押し合いから左上手を許しながら、琴桜の猛攻をしのぐ。右下手を引いて呼吸を整えると、先に攻めて前へ。最後は大関の上手も切って寄り切り、51秒4の大熱戦をモノにした。

 「やっと勝てたなという気持ち」。率直な思いが口をついた。過去4戦全敗。普段から出稽古でも胸を借りてきたが、なかなか越えられない壁だった。初顔合わせは2022年初場所。自身は新入幕の前頭18枚目で、先代琴桜が祖父の琴桜(当時琴ノ若)は前頭14枚目。“横綱の孫対決”という話題性が先行していた。

 2年の間に互いに番付を上げ、結びでは2度目の対戦。待望の初勝利に「高校(埼玉栄)の先輩だし、結びでとれるのは誇らしいこと。もっと増やしていけたらいい」とさらなる出世を誓った。

 結びの一番には強い。春場所の初金星を皮切りに5戦4勝。勝率は実に8割だ。この日は49本の懸賞もゲット。「やっぱ気持ちいいっすよ。見に来て下さるお客さんも、結びでその日の感想がガラッと変わると思う。いい相撲をとろうと心がけている」と頬を緩め、強さの理由を「時間が決まっているので気持ちがつくりやすい」と明かした。

 価値ある2勝目。自己最高位で新三役も視界に入る。「勝っていればそのうち上がれると思う」と王鵬。ポテンシャルを解き放てれば、その時はすぐやって来る。

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