「大相撲秋場所・６日目」（１３日、両国国技館）

　大関・豊昇龍が４敗目。王鵬にすくい投げで敗れ、痛恨の一敗を喫した。取組後には礼のやり直しを求められ、再び土俵上に上がる場面があった。

　取組後、豊昇龍を呼び止め、再び土俵に上げた九重審判長（元大関千代大海）は「礼が全然合っていなかった。悔しくて相手を見ていない」と説明。「分かっているんだろうけど。相手を見たくない気持ちも分かるけれど。結びの一番なので、礼をして土俵を降りてもらわないと」と語った。

　相撲内容については、「体の張りもないし。負けているとそうなるんだけれど。相撲を取れば大関なんだから実力が出るはずだが、精神的に引きずってるようじゃねえ」と苦言を呈した。

　豊昇龍は序盤から黒星先行。この日は、王鵬のすくい投げで土俵上に転がされた。悔しさを隠せず、立ち上がる際に土俵上をグーで軽くたたいた。わずかに頭を下げるような仕草こそあったが、しっかり制止せず、急ぎ足で土俵下へ。花道から引きあげようとしたが、九重審判長が指をさして注意。珍しい光景に、場内からはどよめきが起こった。