琴桜 先場所苦杯の御嶽海にリベンジ レスリング金・日下尚の前で魅せた「刺激をもらったので」

 寄り切りで御嶽海を破る琴桜
 日下尚(左)と握手を交わす琴桜
2枚

 「大相撲秋場所・6日目」(13日、両国国技館)

 大関琴桜が平幕御嶽海を寄り切り、1敗を守った。親交のあるパリ五輪レスリング男子グレコローマン77キロ級金メダリストの日下尚(三恵海運)がテレビ中継のゲストとして来場する前で、看板力士の強さを示した。関脇大の里は正代を一蹴して無傷の6連勝。関脇霧島は翔猿を送り出して1敗をキープした。大関豊昇龍は王鵬に屈して4敗目。大の里が単独トップで変わらず、1敗は琴桜と霧島の2人となった。

 強さを見せつけた“師匠”が、世界の頂点に立った男とがっちり握手をかわした。琴桜の顔に穏やかな笑みが浮かぶ。パリ五輪レスリング金メダリスト・日下の前で会心の相撲を披露。「刺激をもらったので」と胸を張った。

 先場所苦杯をなめた御嶽海を圧倒した。素早く左上手を引いて右四つに組み止めると、前に出ながら一度切られた上手を取り直して寄り切り。中継で日下が「本当に勉強になる」と話していたと聞くと「そうやって見ていただいて、ありがたいっすね」と喜んだ。

 今年2月、中学まで相撲経験もあった日下が、佐渡ケ嶽部屋に“出稽古”に来た。琴桜は肌を合わせて差し手や体重のかけ方などを助言。金メダル獲得後、今月4日には再び訪問を受けた。メダルを持たせてもらい「重かった。世界で戦うというのはそういうこと」と、偉業の重みを実感していた。

 この日の朝稽古では、土俵には入らず、ストレッチなどで調整。前日の初黒星から切り替え、引きずらなかった。取組を見返しても「全部を反省していたらきりがない」と、場所中は突き詰め過ぎずに次の取組に向かっている。日下から「優勝してもらいたい。めちゃくちゃ祈ってます」とエールを送られた琴桜。1差で追う展開もまだ中盤に入ったばかり。「自分を信じて出し切って、それをつなげていく」と、雑念なく大関の務めを果たした先に、初の賜杯がある。

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