男子エペ・山田優 体調不良でもV 五輪メダリスト5年ぶり栄冠! ロス五輪で「金を取って引退したい」
「フェンシング・全日本選手権」(14日、沼津市総合体育館)
開幕し、男子エペ決勝はパリ五輪で同種目の団体銀メダリストの山田優(山一商事)が大谷謙介(専大)を15-10で下し、5年ぶり3度目の優勝を果たした。女子フルーレ決勝はパリ五輪団体で銅メダリストの東晟良(共同カイテック)が長瀬凛乃(日女体大)に6-15で敗れて準優勝となった。
不調を感じさせない切れ味鋭い動きで、山田が優勝を勝ち取った。決勝では常にリードを保って有利に進め、先に15点目を奪取。「もちろんうれしい」と喜んだが、パリ五輪個人金メダルの加納虹輝(JAL)が不在だったことから「(加納を)倒して優勝したかった」と苦笑いも見せた。
実は体調不良を抱えていた。大会前日に39度の高熱が出て、試合当日の朝になっても熱が下がらなかった。ただ、「負けたら『熱です!』って言い訳を考えてたんで最強状態です」と、逆に気楽に臨むことができた。
パリ五輪前までは26年アジア大会で現役引退するつもりだったが、五輪決勝を経て「弟のようにかわいがっている(今大会3位の)松本龍選手と一緒に立ちたいなと思った」と心境が変化した。28年ロサンゼルス五輪で「金メダルを取って引退したい」。新たな夢へと向かっていく。