羽生結弦さん「届け、と思いながら」能登半島復興願い、希望の舞 予算切り詰め、会場照明のみに込めた思い「少しでも寄付を」

 フィギュアスケート男子で五輪2連覇の羽生結弦さん(29)が15日、石川県内で開催された能登半島復興支援チャリティー演技会に出演。被災地を思い、「春よ、来い」を熱演した。

 無良崇人さん、鈴木明子さん、宮原知子さんらと登場したオープニングから能登で活動する10代中心の若き和太鼓チーム「虎之介」の雄々しい太鼓のリズムにのって、躍動的な滑りをみせた。無良さんは「燦々」、鈴木さんは「愛の賛歌」、宮原さんは「スターバト・マーテル」を演じた。能登高校書道部によるパフォーマンスも行われた。

 大トリで「春よ、来い」を情感豊かに演じ、フィナーレではMrs.GREEN APPLEの「ケセラセラ」を熱唱しながら舞った羽生さんは「見て下さる方々、辛い方もいらっしゃいますし、今元気だよっていう方々、本当に様々な立場の方々がいらっしゃると思うんですけど、そんな方々の中で少しでも笑顔も輪が広がってくれればと思い滑りました」と語った。アイスショーのような特殊照明は使わず、会場照明のみでの演技だったが「まず照明がない状況を考えたのは、なるべく予算を少なく、なるべくほとんどのお金を寄付をしたいというのがあって、すごく規模を小さく小さくすることが第一の目標としてありました」と明かし、「最終的にそうやって製作資金を削減していくにあたって、最終的に照明なしということになったわけですけど、それはそれで見え方が違って、またいつも見ている方々はまたいつもと違った感覚を感じていただけるのはうれしい。僕ら自身もチャリティーということでの演技ということで、気持ちも違いましたし、プログラムに込める思いたちもより明確に能登地方の方々へという気持ちで滑ったと思います」と、うなずいた。

 会場での観覧はなく、配信のみ。「配信の形をとったことで、選ぼうと思えば、他の地域で滑ることも可能でしたし、本当に色んなことをしようと思えばできたと思います。やはり僕はなるべく辛かった方々、今現在辛いと思っている方々、色んなことに悩んでいる方々の近くで滑りたいと思いましたし、その地域の力みたいなものとか、現場の空気みたいなものを僕らはすごく感じながら滑るので、この空気の大切さとか、ちょっとでもこの場所から波動として、ちょっとでも空気が動いて、皆さんのもとへ届け、と思いながら滑りました」と、思いを明かした。

 同演技会は石川の笑顔と元気につなげたい…そんな思いを込めてテレビ金沢が企画。タイトル「挑戦 チャレンジ」は、困難を乗り越え、前に進もうというメッセージが込められた。羽生さんも「僕自身は現地で滑ることに意味をすごく感じています。その土地だからこそできる思いだったりとか、演技だったりとかもきっと存在すると思う」と、賛同し、この日が実現した。演技会の模様は映像配信サービス「Lemino」で生配信され、収益は石川県に寄付される。

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