やり投げ・北口が逆転連覇 最終6投目に今季自己最高!魅せた金の底力 ドラマチックな“北口劇場”に笑い止まらず「あはは!」

 「陸上・ダイヤモンドリーグ・ファイナル」(14日、ブリュッセル)

 最高峰シリーズの大会は、各種目の年間上位者によって最終日が行われ、女子やり投げでパリ五輪金メダルの北口榛花(26)=JAL=が最終6投目に66メートル13の今季自己最高を出して逆転し、日本勢初の2連覇を果たした。同5000メートルの田中希実(ニューバランス)は14分31秒88の今季自己ベストで6位。男子やり投げのディーン元気(ミズノ)は80メートル37で5位だった。

 ドラマチックな“北口劇場”で再び優勝を勝ち取った。2投目で首位に立ったが、最終6投目の出番直前にライバルに逆転された。普通なら焦る展開も冷静だった。「いつも『6投目の北口』だから、任せろって思った」-。初優勝した23年世界選手権も最終投で逆転。自身を信じ、描いた放物線は今季自己最高だった。笑顔でガッツポーズし「あはは!」と笑いが止まらなかった。

 近年の快進撃の要因の一つに助走の進化がある。元筑波大教授の足立和隆さんの助言もあり、階段の上り下りで腰のひねりを覚えた。応用編の登山も加えて下半身を徹底的に強化した。

 当初は競泳とバドミントンの経験があって上半身は動けたが、下半身の動きがイマイチだった。助走が進化し、投げのフォームにより集中できるようになった。「幼稚園の園児が走っているみたい。バタバタ」な動きから「走る速さは1割以上は速くなった」と足立さん。最終投は素早い助走からのビッグスローで、北口も「力で投げた感じはせず、スルッといった」と手応えを示した。

 実はパリ五輪後、拠点のチェコに戻った際に競技人生初の腰痛を発症した。当初はほとんど動けず、練習を3週間休んで「すごく不安だった」という。それでも飛躍のシーズンを満開の“北口スマイル”で締めくくった。来年の世界選手権は東京開催。「日本の皆さんの前で自分らしい投てきを見せたい」。女王は1年後の大舞台を心待ちにした。

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