大の里 大関&2度目V大前進!10連勝!変化を苦にせず霧島撃破で後続に2差 昇進目安あと2勝、八角理事長「立派」
「大相撲秋場所・10日目」(17日、両国国技館)
関脇大の里が関脇霧島を寄り切り、10連勝で単独トップを守った。霧島が敗れて1敗勢がいなくなり、後続に2差をつけ、大関昇進と2度目の優勝にさらに前進した。大関陣は、琴桜が豪ノ山を寄り切って7勝目、豊昇龍は琴勝峰を押し倒して6勝目を挙げた。大の里を、2敗で霧島、若隆景、錦木、高安の4人が追う。
後続を2差に突き放す価値ある白星にも、浮かれる気持ちは一切なかった。取組を終えて支度部屋に戻った大の里は、報道陣の問いかけに目をつぶって応える“集中モード”。終盤戦へ向けて「まだ場所は終わっていないんで。一番一番に集中して頑張ります」と気を引き締めた。
元大関の意外な動きを苦にしなかった。立ち合いで霧島が大きく自らの右に変化。体が泳いだ際にまわしを引かれたが、すぐに体勢を立て直して反撃した。右を差して左をおっつけると、そのまま力強く寄り切り。土俵下で審判を務めた師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は「霧島の作戦負け。がっちりこられたら、いい相撲になっていた」と弟子を褒めることはなかったが「集中できていたのが一番なんじゃない。そこだけよかった」と対応力を認めた。
これで大関昇進の目安となる「三役で直近3場所33勝」まで残り2勝。昨年夏場所の初土俵から所要9場所で昇進となれば、昭和以降では羽黒山、豊山、雅山の所要12場所を抜いて最速記録となる。また10日目終了時点で全勝トップが、2差から逆転された例は1場所15日制となった1949年夏場所以降2例しかない。2度目の優勝も大きく引き寄せる2桁星に、八角理事長(元横綱北勝海)も「全勝で(10日目まで)来ているのが立派。大の里が3敗するとは思えない」と評価した。
11日目は琴勝峰と対戦する。「目の前の相手に集中するだけ。先のことは考えずに明日も一番に集中して頑張ります」と集中力を高めた大の里。ちょんまげ力士の進撃は、賜杯を抱くまで止まらない。