大の里の口上「唯一無二の力士を目指し」に父・知幸さんが涙 師匠の大関昇進時は四文字熟語なし 過去には「不撓不屈」「一意専心」「気魄一閃」
日本相撲協会は25日、東京・両国国技館で大相撲九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇大の里(24)=二所ノ関=の大関昇進を満場一致で正式に決めた。協会は使者を派遣し、茨城県阿見町の二所ノ関部屋で昇進伝達式を実施。大の里は「謹んで申し上げます。大関の地位を汚さぬよう、唯一無二の力士を目指し、相撲道に精進します。本日はありがとうございました」と口上を述べた。ともに式に臨んだ師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は、大関昇進時の口上が「大関の名を汚さぬよう、精進」と四文字熟語は使わずシンプルなものだったが、大の里は「唯一無二」に思いを込めた。
口上について高校の恩師に相談した際、父・知幸さんがよく「唯一無二になってくれ」と言っていたことから、恩師から「これでどうだ?」と提案されたという。大の里は「完璧にこれだ!と思ったので使わせていただきました。思いも込めてこの言葉になった」と説明した。
伝達式に駆けつけた知幸さんは「言ってくれるとは思わなかった。鳥肌が立って目から汗が出ました(笑)」と感激。「唯一無二の愛される大関になってほしい」と期待した。
過去の大関昇進時の主な口上は以下の通り(しこ名は当時)。
▽貴ノ花「不撓(ふとう)不屈の精神で相撲道に精進」(1993年初場所後)
▽若ノ花「一意専心の気持ちを忘れず」(93年名古屋場所後)
▽朝青龍「大関の名に恥じぬよう、一生懸命頑張ります」(2002年名古屋場所後)
▽白鵬「全身全霊をかけて努力」(06年春場所後)
▽琴奨菊「万理一空の境地を求めて」(11年秋場所後)
▽稀勢の里「大関の名を汚さぬよう、精進」(11年九州場所後)
▽鶴竜「お客さまに喜んでもらえるような相撲が取れるよう努力」(12年春場所後)
▽貴景勝「武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず」(19年春場所後)
▽朝乃山「相撲を愛し、力士として正義を全う」(20年春場所後)
▽正代「至誠一貫の精神で」(20年秋場所後)
▽御嶽海「感謝の気持ちを大切にし、自分の持ち味を生かし」(22年初場所後)
▽霧島「今まで以上に稽古して」(23年夏場所後)
▽豊昇龍「気魄一閃(きはくいっせん)の精神で」(23年名古屋場所後)
▽琴ノ若「感謝の気持ちを持って相撲道に精進」(24年初場所後)