大相撲 元関脇の碧山が涙の引退会見「力士になれて本当によかった」ブルガリア出身 現役生活15年

 引退会見で涙ぐむ元関脇碧山の岩友親方
 引退会見を終え、花束を贈られた元関脇碧山の岩友親方(左)と師匠の春日野親方
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 大相撲秋場所限りで現役を引退した元関脇碧山の岩友親方(38)が26日、東京・両国国技館で会見を開き「もう土俵に上がることはない。さみしい気持ちでいっぱい」と心境を語った。

 ブルガリア出身。191センチ、180キロ超の巨体を生かした破壊力のある突き、押しなどを武器に長く活躍した。22年3月には日本国籍を取得。本名もダニエル・イヴァノフから古田亘右に改名した。15年間の現役生活を振り返り「38年間、生きていた中の一番楽しい人生だった。力士になれて本当によかった」と充実感を口にした。

 東十両13枚目で臨んだ秋場所は5勝10敗と負け越し。13年ぶりの幕下転落が確実となり、引退を決めた。右膝の靱帯(じんたい)損傷などケガに苦しんだが「痛いところはいろいろあるけど、ケガでやめたわけじゃなく、力が出なくなった」と言い訳せず。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)も「痛いんでしょうけど、表に出さないのがいいところ。力士らしい。(秋場所の)千秋楽の朝も稽古をやっていた」とたたえた。

 思い出の一番には、2012年名古屋場所5日目、ブルガリア出身の先輩・大関琴欧洲との初顔合わせの取組を挙げた。寄り倒しで敗れたが「初めて大関と相撲をとれたことがすごくうれしかった。(内容は)緊張し過ぎて、あまり覚えていない」と振り返った。

 家族の反応を問われた岩友親方は「よくやったと言われました」と涙。2歳になるまな娘・モニカちゃんは、しこ名を言えるようになったといい「娘にもうちょっと元気な姿を見せたかった」と無念さもにじませた。

 今年7月に42歳の若さで亡くなった元幕内木村山の名跡を継承。岩友親方は先代を兄のように慕っていた。今後は春日野部屋付きで指導にあたる。「一番大事な、自分に負けない気持ちが強い力士を育てたい」と抱負を述べた。

 元碧山の岩友親方は、2009年名古屋場所で師匠が元幕内久島海だった田子ノ浦部屋から初土俵を踏み、11年九州場所で新入幕。師匠の急逝に伴い、12年2月に春日野部屋に転籍した。同年秋場所で新三役。三役を5場所務め、幕内在位は71場所だった。

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