連覇の小田凱人「ここまでが第1章」大勢の観客に「“車いすテニス”見に来たお客さんいた。それが一番うれしい」/一問一答
「男子テニス・木下グループ・ジャパン・オープン」(29日、有明テニスの森公園)
車いすの部決勝が行われ、パリパラリンピック金メダリストの小田凱人(東海理化)が、同銅メダルのグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)を6-3、6-4で下した。キープが続いた第1セットは、第8ゲームでブレーク。第2セットも2度のブレークを成功させ、最後まで押し切った。初戦から全試合をストレート勝ち。圧巻の内容で、2年連続2度目の優勝を果たした。
以下は一問一答。
-試合を振り返って。
「僕が想像した景色が、まるまる現実になった。勝ったうれしさよりは、表彰台から感慨深かった。パラリンピックが終わって一段落みたいなのはあるけど、僕の中ではこの大会まで。それが終わって、いろいろ振り返りました」
-『いろいろ振り返った』とは。
「ここまでが第1章。(ジャパンオープンは)4回目の出場。1、2回目はお客さんに1回声をかけられたらいいな、ぐらい。今はカートに乗っていても声をかけてもらえる。そこの変化を感じた。4年でここまでこられたのは、すごくエモーショナルな感情になった」
-第1章のタイトルをつけるなら。
「思い描いたより、いろんなことをできたんじゃないかな。第2章と言ってもあることは変わらない。気持ち的に再スタート。新しいこともやりたいと思っている。ロス(パラリンピック)に向けて変えていって、また違った姿で挑みたい」
-常勝の先に見据えるビジョンあるのか。
「パラリンピック終わって、ここから今までより難しい戦いになる。そこをどうやって楽しみながら、歩んでいくかを心がけたい。常に表舞台に出て、活躍し続けることが大事かな」
-観客も多かった。
「テニスではなくて、“車いすテニス”を見に来たお客さんがたくさんいた。それが僕の中で新しいし、理想的な形。今まではテニスを見に来るついでに見ようかなというスタンスだったと思う。それが一番うれしかった」
-錦織圭の存在は
「テニスに関係なく、日本でトップに入る知名度だと思う。みんな知っている。僕もテニスする前から知っていた。その姿は僕からしたらうらやましい。会えば話をさせてもらいますし、ここからすごいレベルの高いところまでいってくれるんじゃないかな。追いかけていきたい存在」