琴桜 先代師匠超え初V 決勝で大の里退け九州場所へ弾み「幸先いいスタートが切れてよかった」

 優勝者に贈られる選士権章を巻いた琴桜
 大の里(手前)を攻める琴桜
2枚

 「大相撲・全日本力士選士権」(30日、両国国技館)

 幕内トーナメントは、大関琴桜(佐渡ケ嶽)が決勝で新大関大の里(二所ノ関)を退け、初優勝を飾った。祖父で元横綱琴桜の先代師匠も果たせなかった大会制覇を果たし、九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)へ弾みをつけた。

 琴桜が先輩大関の貫禄を示した。大関対決となった決勝。右四つ左上手を引いた力強い寄りで、大の里に俵を割らせた。伝統ある大会での初優勝に「よかったと思う」と頬を緩めた。

 歴代優勝者には横綱、大関の名がずらりと並ぶが、祖父はこの大会を制したことがなかった。それだけに「琴桜の名前が入れられたということですね。師匠(父で元関脇琴ノ若の佐渡ケ嶽親方)からも『頑張れよ』とハッパをかけられていたので」と、継承したしこ名を歴史に刻んだことを喜んだ。

 この日は本場所で愛用する明るい緑ではなく、黒の締め込みを初披露。10月1日からの秋巡業でも、体に慣らすために着用する予定だという。前日には大関昇進披露宴も開催され、さらなる活躍を誓っていた琴桜。初優勝を期す九州場所を見据え「幸先のいいスタートが切れてよかった」とうなずいた。

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