渡辺雄太 劇勝Bリーグデビュー 元NBA選手の底力「1分1秒をかみしめてプレー」 9708人観衆熱狂

 第4Q、フリースローを決めた富樫(左)を迎える千葉J・渡辺(撮影・伊藤笙子)
 第1Q、Bリーグ初得点となる3Pシュートを放つ渡辺
 第2Q、3Pシュートを決めた渡辺
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 「Bリーグ、千葉J91-84宇都宮」(5日、ららアリーナ東京ベイ)

 米プロNBAグリズリーズから渡辺雄太(29)が加入した千葉Jは、千葉県船橋市に新設された「ららアリーナ東京ベイ」で今季初戦を戦い、宇都宮に延長の末、91-84で競り勝った。渡辺は3点シュート2本を含む16得点、8リバウンド、1アシスト。得意の守備でも存在感を示し、Bリーグデビュー戦を白星で飾った。会場には9708人の観客が詰めかけ、大熱戦の展開に大いに盛り上がった。

 プロバスケットボール選手としての新たな1歩を白星で飾った。千葉Jに新加入した渡辺が、Bリーグデビュー戦に臨み、チーム2位の16得点を記録。「最後まで落ち着いてプレーして、開幕戦を勝利できてよかった。Bリーグデビュー戦は一生に一度の経験。1分1秒をかみしめてプレーした。勝つことも、楽しむこともできた。満足」と充実の汗を拭った。

 約1万人のファンが詰めかけた新拠点をいきなり沸かせた。スタメン出場すると、開始2分過ぎに守備の上から3点シュートを射抜き、初得点を記録。第2クオーターには、ファウルを受けながらゴール下のシュートをねじ込み絶叫した。守備では相手エースの比江島慎(宇都宮)を5点に抑え込むなど、元NBA選手としての実力を存分に発揮。延長戦にまで突入した死闘を、チームの先頭で引っ張り続けた。

 渡辺は高校卒業後に渡米し、日本人2人目のNBA選手としてデビュー。平均寿命4~5年と言われる世界最高峰のリーグで、日本人最長の6季プレーした。過酷な競争下で大好きなバスケットに打ち込めないことや、メンタルの不調が重なり23~24年シーズン後に帰国を決断。国内クラブから数多くのオファーがあった中、メンタル面のサポートを強く説いた千葉Jに入団を決めた。

 6日は宇都宮と同会場で第2戦を行う。バスケットボールの試合でアリーナに満員の観客が集まることは、渡辺が渡米した約10年前には考えられなかった光景。「素晴らしいアリーナで、素晴らしいお客さんの前でプレーできたことは光栄」と感慨深げに話しつつ、「明日からの試合も楽しみでしょうがない」と、これから始まるシーズンへ目を輝かせた。

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