卓球日本女子 50年ぶり中国撃破でアジアV!張本美が世界女王に0-2から大逆転 次世代エース候補が“風穴”一気にこじ開けた

 女子団体で優勝し、笑顔で抱き合う張本美和(左)と早田ひな
 表彰台に笑顔で並ぶ優勝した日本選手ら(写真はすべて共同)
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 「卓球・アジア選手権」(9日、アスタナ)

 女子団体決勝が行われ、日本は中国を3-1で破り、2021年大会(ドーハ)以来、2大会ぶりの優勝を果たした。中国を破っての制覇は1974年(横浜)以来、50年ぶりの快挙となった。第1試合で世界ランキング7位の16歳、張本美和(木下グループ)が同4位の王芸迪に3-2で先勝。続く伊藤美誠(スターツ)は敗れたものの、同12位の平野美宇(木下グループ)が同6位の陳幸同に3-1で勝利し、第4試合で張本美がパリ五輪銀メダルで世界ランク1位の孫穎莎に3-2で逆転勝ちした。

 パリ五輪の余韻が残る中、日本女子が最強王国から半世紀ぶりの歴史的勝利を飾って頂点に立った。

 衝撃的な大番狂わせの立役者は、まだ高校1年の張本美だった。第1試合でいきなり世界4位の王芸迪を倒して勢いをつけると、第4試合で五輪2大会連続銀メダルで世界1位の中国最強エース、孫穎莎と対戦。0-2と劣勢に立たされたが、そこから3-2と大逆転し、7度目の対戦で世界女王から初の金星を挙げた。ベンチに戻ると、仲間と笑顔でハイタッチを交わした。

 昨年から驚異的な成長を遂げた16歳は、今夏のパリ五輪で団体戦に出場。速攻だけではなく、ラリーになっても中国勢に劣らない王道卓球で世界を席巻し、銀メダルに貢献した。帰国後はすぐに二十歳で迎える次の大舞台への思いを口にし「ロス五輪では(代表2枠の)シングルスに出たい。そのためには毎日の練習や数々の大会でしっかり自分の全力を出して、いい結果を残せるように」と話していたが、夢舞台からわずか2カ月で有言実行してみせた。

 近年、団体戦での中国撃破は手の届くところまできていたが、五輪や世界選手権の決勝で中国の牙城に阻まれ、今年のパリ五輪も0-3で屈した。今回は実績のある伊藤が出場し、パリ五輪シングルス銅メダルで左手首付近の負傷明けの早田ひな(日本生命)は控えに回る形となったが、層の厚さも際立つ。

 伊藤、平野、早田の最強世代が開けた“風穴”を、次世代エース候補の16歳が大きくこじ開けた記念碑的Vとなった。4年後のロス五輪に向けて、最強王国の背中を確かに捉えた。

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