171センチ165キロ・岡田綾太朗が高田川部屋に入門 名門東海大柔道部から初の力士誕生へ ウルフ・アロンの仲介で実現

 東海大は16日、柔道部4年の岡田綾太朗(22)が大相撲の高田川部屋に入門することを発表し、神奈川・湘南キャンパスで記者会見を開いた。多くの五輪王者を輩出した屈指の名門からは初の角界挑戦で、会見には同大出身で東京五輪100キロ級金メダリストのウルフ・アロン(28)も同席。相撲未経験ながら潜在能力を期待される岡田は、関取昇進と角界でのウルフ・アロンばりの活躍を誓った。九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)に向けた新弟子検査を受検し、合格すれば同場所で初土俵を踏む。

 異色の力士が誕生する。相撲未経験者では異例の報道陣が集結した入門会見。山下泰裕、井上康生らを輩出した柔道の超名門から初めて国技の世界に飛び込む岡田は「関取昇進を目指して頑張りたい」と決意表明した。

 岡田は柔道部で高田川親方(元関脇安芸乃島)の長男の2年後輩にあたり、ウルフ・アロンのYouTube動画の撮影で高田川部屋に同行。稽古に参加し「ここで強くなりたい、上を目指したいという思いが出てきた」と入門を決めた。

 身長171センチ、体重165キロの体格。大学2年時の東京学生体重別選手権100キロ超級3位の実績がある程度だが、両者反則負けとなったこの大会の準決勝の相手が同年の講道館杯王者。同大柔道部の上水研一朗監督によると、五輪王者・リネール(フランス)が来日時に出稽古に来た際には、乱取りをして投げられなかったという。教え子の角界挑戦に上水監督は「最初は冗談かなと思ったが、彼の特性を考えたら有りじゃないかと」と期待した。

 師匠となる高田川親方も元柔道少年。「東海大といったら憧れの柔道部の頂点。東海大柔道部の名に恥じぬように稽古も精進もしてほしい」とハッパをかけた。ポテンシャルを認め「柔道では紙一重で世に出なかった。そういう選手の方が案外、相撲に合ったりする。どこまで強くなれるか、どこまでいけるか楽しみ」と、相撲未経験は逆に伸びしろと捉えた。

 明るい性格で会見では笑顔を振りまいた岡田。目標の力士は「相撲で言ったら安芸乃島さん、柔道界で言ったらウルフさんのような存在になれたら」。柔道では届かなかった“金メダル”を相撲の世界で目指す。

 ◆岡田 綾太朗(おかだ・りょうたろう)2002年5月11日、島根県出雲市出身。5歳から開星クラブで柔道を始めた。松江市立第二中、兵庫・育英高と進み、名門の東海大に進学。男子100キロ超級で、主な実績は22年東京学生体重別選手権3位。ウルフのYouTubeチャンネルにも出演している。柔道時代の得意技は一本背負い。171センチ、165キロ。

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