田中希実「初めて心の底から泣けた」 激動パリ五輪の涙の舞台裏明かす 5000M予選落ちの「茫然自失」から再起したきっかけとは

 陸上女子1500メートル、5000メートルの日本記録保持者でパリ五輪代表の田中希実(ニューバランス)と女子100メートル障害でパリ五輪代表の田中佑美(富士通)、男子マラソンでパリ五輪6位入賞の赤崎暁(九電工)が18日、シューズメーカー「ニューバランスジャパン」のイベントに登壇した。

 3人はパリ五輪での熱戦を終えたばかり。田中希は5000メートルで予選落ちとなり、1500メートルでは予選で他選手に接触したが、救済措置となって準決勝に進出していた。

 イベントでは『渾身(こんしん)の写真』として、5000メートルの後に家族などで撮った写真を見せた。予選落ちの直後は「茫然自失で全然涙も出てこなかった」が、家族の前では「1500メートルにどうしても切り替えがつかない」と、涙ながらに「思いの丈をぶつけた」という。溜まった思いをはき出し、気持ちを楽にすることができた。「このメンバーにあって初めて心の底から泣けた。次の1500メートルに気持ちを切り替えるきっかけになった」と五輪期間中の大きな転換点となった。

 日本中長距離界のエースは今季を終え、「今までの中で一番充実はしていたシーズンだった。結果はクエスチョンですけど、来年以降に結実していけばいいな」と手応えを語った。25年には世界選手権(東京)も控えるだけに、「走りの技術では伸ばす余地があるし、日本記録は更新したい。確実に決勝に残ったりメダル争いに絡める選手になっていきたい」と目標を掲げた。

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