52歳葛西紀明がビッグジャンプで予選5位通過 W杯最多579回出場つかむぞ!「運バチバチくれば小林陵に勝つ。なんつって(笑)」

 「ノルディックスキー・ジャンプ・全日本選手権」(19日、白馬ジャンプ競技場)

 男子ラージヒル(ヒルサイズ=HS134メートル)予選が行われ、葛西紀明(52)=土屋ホーム=は131・5メートルの136・3点の5位で、20日の本戦に進んだ。今大会で好成績を残し、歴代最多579回目の出場記録がかかるワールドカップ(W杯)の出場を目指す。京五輪銀メダルの小林陵侑(チームROY)は、首位通過した。

 雨が降りしきる白馬をレジェンドが沸かせた。試技1本目から、ヒルサイズ超えの136メートルのビッグジャンプで好感覚をつかむと、予選ではK点(120メートル)を超える131・5メートルを飛んだ。会場に集まったギャラリーは「のりさーん!」と大歓声。葛西は「練習から見てもらっていた。明日がもっと楽しみ。沸かしたいと思います」とにやりと笑い、本戦を見据えた。

 23-24年シーズンは、4季ぶりに海外で行われるW杯に復帰。自身が持つ最多出場記録を「578」に伸ばした。今大会で、すでに出場権を獲得している小林陵、二階堂蓮(日本ビール)、小林潤志郎(Wynn.)、佐藤慧一(雪印メグミルク)の4人を除いた最上位に入れば、枠数次第でW杯メンバーに名を連ねることができる。

 さらに24-25年シーズンからは、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の代表選考が本格化する。W杯の成績上位者が代表となるだけに、今大会で出場権を勝ち取ることができれば、日本人最多9度目の五輪も視界に捉えることができる。

 ラージヒルは、世界の舞台で何度も戦ってきたレジェンドの得意種目だ。「踏み切る瞬間の膝や胸が先に動いたりしている。そこがかみ合えばいい勝負ができる」と課題を挙げつつ、「運が2本バチバチっとくれば、小林陵侑に勝つと思います。なんつって」と、笑い飛ばした葛西。歴代最多のワールドカップ579回目の出場、そしてその先の五輪をつかみに行く。

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