貫禄Vの小林陵侑が複雑胸中明かす「テレマークないと飛型点引かれる…みんな分かっていないのかな」ルール変更への適応遅れる日本勢に警鐘

 飛距離、飛型点ともに高得点をそろえガッツポーズする小林陵侑
 男子ラージヒルで優勝した小林陵侑。左は2位の二階堂蓮、右は3位の内藤智文
 男子ラージヒルで優勝した小林陵侑の2回目
3枚

 「ノルディックスキー・ジャンプ・全日本選手権」(20日、白馬ジャンプ競技場)

 男子ラージヒル(ヒルサイズ=HS134メートル)決勝が行われ、北京五輪銀メダルの小林陵侑(チームROY)が139・5メートル、134・5メートルの282・7点で2季ぶり4度目の優勝を果たした。

 貫禄を見せつけた。1本目からヒルサイズ超えの139・5メートルの大跳躍を見せ、テレマーク姿勢も抜群。飛型点はジャッジ1人が20点満点中19・5点を付けるほどの精度で、2位以下を寄せつけなかった。「合格点ではある。これから冬のレールに変わる。(変化を)気をつけながらシーズンインができれば」と、すぐに24-25年シーズンを見据えた。

 世界の第一線で戦うからこその複雑な胸中ものぞかせた。今春にルール改正が行われ、飛距離より着地のテレマーク姿勢が重視される採点方法に変わった。これまでジャッジ1人あたり2点だった減点幅は、1・5倍の3点に。この日の試合では、バッケンレコード(ジャンプ台記録)を更新するビッグジャンプが連発する見応えのある試合展開だった一方で、安定した飛型点を記録できた選手は小林陵以外にいなかった。

 ルール変更に伴い、小林陵は「今のワールドカップはテレマークを入れないと相当(飛型点が)引かれる」と危機感を感じている様子。今夏はジャッジが座る位置によって変更できるように、左右の足がどちらが前でもテレマーク姿勢を入れられるようにトレーニングを積んできたという。

 「否定するとかではないけど、点が引かれるのがみんな分かっていないのかな…という感じ。世界基準じゃないというか…世界で活躍することを見据えるのが、この試合(全日本選手権)。まぁ人それぞれなんでいいんですけど」。言いづらそうにしながらも、今後の日本勢の発展を願い、世界トップで戦っているからこその警鐘をならした。

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