ジャンプ 2冠の伊藤有希が52歳レジェンド葛西に尊敬のまなざし「同じ時代にスキーができて幸せ」

 「ノルディックスキー・ジャンプ・全日本選手権」(20日、白馬ジャンプ競技場)

 女子ラージヒル(ヒルサイズ=HS134メートル)決勝が行われ、北京五輪代表の伊藤有希(土屋ホーム)が、132・5メートル、124・0メートルの合計236・2点で、ノーマルヒルとの2冠を達成した。同代表の高梨沙羅(クラレ)は2位に入った。

 伊藤はK点(120メートル)を超えるジャンプを2本そろえ、頂点に立った。試合後は「もっと飛距離を伸ばせるチャンスがあった」と悔やんだが、それでも着地の精度を含めた総合力で他を上回った。

 この日は所属の土屋ホームで選手兼監督を務める葛西紀明(土屋ホーム)が、52歳になってもなお闘志を燃やし、表彰台争いを繰り広げた。伊藤は「減量もあってかなりつらそうだけど、遠くに飛びたい気持ちの一心があってできることだと思う」とレジェンドを尊敬のまなざしで見つめ、「同じ時代にスキーができて幸せ」と実感を込めた。

 2024-25年シーズンは、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪のプレシーズン。今後はUHB杯ジャンプ大会(26日開幕、札幌市・大倉山ジャンプ競技場)に出場し、11月下旬から開幕するワールドカップに照準を合わせていく。18日の試合後は「いろいろ試せるのは今季まで、来季は(積み上げた技術を)磨いていく作業になる」と語っていた伊藤。4度目の五輪へ向け、充実の冬にする。

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