河村勇輝 NBAデビューへ!グリズリーズとツーウエー契約 現役最小173センチもスピードなど評価

 グリズリーズとツーウエー契約を結んだ河村勇輝(ゲッティ=共同)
 グリズリーズの同僚で身長224センチのイーディー(左)と記念撮影する河村(NBAE・ゲッティ=共同)
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 米プロバスケットボールNBAのグリズリーズは19日、開幕前キャンプに参加していたガードの河村勇輝(23)とツーウエー契約を結んだと発表した。下部Gリーグのチームに所属しながらNBAの試合に一定数出られる契約で、Bリーグ出身の日本選手で初となるNBAデビューが可能となった。過去、日本選手のNBAデビューは2004年の田臥勇太(サンズ)、18年の渡辺雄太(グリズリーズ)、19年の八村塁(ウィザーズ)の3人。グリズリーズは23日(日本時間24日)のジャズ戦で開幕を迎える。

 独自の道を切り開いてきた身長173センチの河村が大きなチャンスをつかんだ。自慢のスピードと独創的なパスで体格のハンディを補い、評価を高めた。ツーウエー契約を勝ち取り、日本選手4人目となるNBAデビューが視野に入った。

 河村はこれまでキャンプに参加するための「エキシビット10」契約を結んでいた。オープン戦は全5試合に出場し、1試合平均約15分で3・4得点、4・2アシストを記録。身長をカバーするスピードや俊敏性、的確な状況判断などが評価された。米メディアによると、現役のNBA選手の中では最も低い身長になるという。

 八村(レーカーズ)ら過去3人の日本勢はいずれも大学時代に米国でもまれた。留学未経験の河村は10代の頃はNBAでのプレーは頭になく、憧れの対象に過ぎなかったという。「大きな目標も大事だけれど半年、1年と直近の目標を達成しながらチャレンジする」。高校日本一、日本代表入りと段階を踏んで成長してきた。

 転機は大活躍した2023年のワールドカップ(W杯)だった。大会後にNBAのチームから複数オファーが届き、最高峰のコートが現実的な目標へと変わった。当時は1年後に控えたパリ五輪を優先するためBリーグにとどまり、今回は満を持しての渡米だった。

 全5試合に出たオープン戦では相手の激しい守備に動じず「五輪とか、W杯の経験がすごい生きている」と実感した。英語習得のためキャンプ期間中も机に向かい、語学力を磨いてきた。小さな体で大きな一歩を踏み出した。

 ◆河村勇輝(かわむら・ゆうき)2001年5月2日生まれ。山口県柳井市出身。18、19年に福岡第一高で全国高校選手権2連覇を果たし、同校在学中の20年に18歳でBリーグ1部(B1)三遠に特別指定選手として加入してデビュー。22年に東海大を中退してプロに転向し、特別指定選手としてプレーしていたB1横浜BCと契約。22~23年のレギュラーシーズンで最優秀選手賞(MVP)と新人王をダブル受賞した。173センチ、72キロ。

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