高梨沙羅 今季は飛距離よりテレマーク「テレマークの競技になりつつある」
全日本スキー連盟は22日、本格化する2024~25年シーズンへ向けて都内で会見を行った。北京五輪ノルディックスキー・ジャンプ女子代表の高梨沙羅(クラレ)は、今季の目標を問われ「テレマークです」と力強く宣言した。
今春にルール改正が行われ、着地姿勢の加減点の幅がアップ。従来よりテレマーク姿勢が重要視されるようになり、十分な姿勢が取れなければジャッジ1人あたり3点も引かれる採点基準になった。
飛距離に強みを持つ高梨にとってネガティブに働くルール変更のため、いかにテレマークを入れられるようになるかが今季勝利の鍵を握る。20日に閉幕した全日本選手権でも「テレマーク」を連呼しており、この日の会見でも「テレマークの競技になりつつある」と危機感を示した。飛距離よりも着地を意識する考えを明かし、「言った方が自分にもハッパをかけられる。目標はテレマーク一択です」と、課題と真っすぐに向き合った。
ともに練習する小林陵侑(チームROY)の着地は、世界トップレベル。この日は「衝撃を板で吸収する意識で(テレマークを)やっているよ」とアドバイスを受けたという。これまで「とにかく足を前に出す」意識で飛行姿勢から着地姿勢に切り替えていた高梨にとって、「そういう意識でやったことはなかった」と金言だった。今後は板のしなりを使って衝撃を和らげる着地の方法を試していくという。
今季は世界選手権(来年2月、ノルウェー)が開催され、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の前哨戦となる。高梨は「五輪のプレシーズン。自分のジャンプの方向性を歓声に近づけないといけない。ルール変更に対応して自分のジャンプスタイルを作っていきたい」と意気込んだ。