柔道界初の女性監督の塚田真希さん「女性目線を手探りで」パリ五輪は24年ぶりにテレビ観戦、混合団体決勝は「鳥肌立った」

日本橋三越本店でトークショーを行った柔道女子代表の塚田真希監督(右)と増地克之前監督
 日本橋三越本店で行われたイベントでトークショーを行った塚田真希監督
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 今月就任した柔道女子日本代表の塚田真希監督(42)が27日、東京都中央区の日本橋三越本店で行われたイベント「プロジェクト道」の一環として、増地克之前監督(54)と共にトークショーに出席した。日本柔道界初の女性監督として期待が懸かる中、「始動して、緊張感があってピリっとしている。女性ならではの目線で何ができるかを手探りでやっていきたい」と決意を明かした。

 選手時代は女子最重量級のエースとして2004年アテネ五輪で金メダル、08年北京五輪で銀メダルを獲得。引退後は指導者に転身し、21年東京五輪までは女子日本代表コーチとして世界と戦ってきたが、同大会後に退任した。

 今夏のパリ五輪はテレビで観戦したというが、現役時代も含めて五輪会場に入らなかったのは2000年シドニー五輪以来、24年ぶりだという。「ずっと五輪に関わってきたので、(指導者としては)初めてテレビの外側から見る五輪だったが、角田(夏実)選手が初日に金メダルをとったときに自分も盛り上がったし、日本全体に余韻を感じた。五輪のすごさをまた違った立場から観戦していた」と振り返った。

 7割は強化スタッフ視点から観戦していたというものの、女子は48キロ級の角田以降は苦戦が続き、メダルは過去最少の計2個にとどまっただけに「ぐっと(金メダルラッシュに)行くなと思ってたが、いろんな難しさみたいなものを見て、海外選手の気迫とか、女子はメダルが(各国に)分散しているので、ピンポイントの選手の強さが際立つんだなと思って見ていた」と述懐。さらに、決勝で大熱戦の末に惜敗した混合団体戦については「増地先生の奥様(増地千代里コーチ)とずっと(試合を見ながら)やり取りして大盛り上がりだった」と明かし、「女子の采配を見たときは鳥肌が立ちました。すごいなと」と、いずれも実施階級より下の階級である角田、高市未来、高山莉加を起用して殊勲の2勝を挙げた“神オーダー”を興奮気味に振り返った。

 また、塚田新体制では代表コーチとして宇高菜絵氏、早川憲幸氏、高市賢悟氏ら5人を選任したが、「海外の実力が高くなっている中、なかなか国内の情報だけでは太刀打ちできない。海外での指導経験がある人をメインに柱を立てた」と説明。さらに、自身の経験を踏まえて当面は担当の階級を固めず、5人のコーチで全体的に指導するプランも温めているといい、「(日本代表選手が相手なので)いろんな可能性を探れる。(コーチの人選において)階級は優先順位が低かったので。どこまで機能するかは未知だが、色々練っていきたい」と、塚田ジャパンの一端をかいま見せた。

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