フィギュア・佐藤駿 2度転倒も「銀」でGPファイナル進出「少しほっと」課題の4回転フリップ成功に「得たものは大きい」
「フィギュアスケート・スケートカナダ」(27日、ハリファクス)
男子はSP2位の佐藤駿(20)=エームサービス・明大=がフリー4位の合計261・16点で2位に入った。2連覇を目指した山本草太(中京大)はSPに続いてフリーも3位の合計257・00点で4位。第1戦スケートアメリカを制した世界王者のイリア・マリニン(米国)がSP、フリーともに1位の合計301・82点で連勝し、計6戦の総合成績上位6人で争うGPファイナル(12月・フランス)進出を決めた。
一度は表彰台を諦めかけた。フリーのジャンプで2度転倒した佐藤は「ああ、終わったな」。得点を待つ「キス・アンド・クライ」では祈る思いだった。最終滑走のマリニンを残して2位以内が確定すると、両手で顔を覆う。SPの貯金を生かしてのGPシリーズ(ファイナルを除く)6試合連続表彰台に、「少しほっとした。悔しい思いが強いが、結果的にはすごくうれしい」と複雑な心境を吐露した。
SPで成功した最大の武器、4回転ルッツに狂いが生じた。踏み切りがいつもより壁に近くなり「少し焦って跳び急いだ」と激しく氷に体を打ち付けた。後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も転倒。それでも集中を切らさず、終盤のスピンで最高難度のレベル4をそろえたことが、3位車俊煥との0・85点差につながった。
課題だった4回転フリップは成功し、「今大会で得たものはすごく大きい。4回転フリップが決まったのは良かった。今回駄目だったことを修正し、SPとフリーでノーミスができるよう練習していく」。2季ぶりのファイナル進出へ、11月下旬の中国杯(重慶)で真価が問われる。