ウルフ・アロンが引退ロード軌道修正 GS東京見送りで全日本選手権出場も?「検討に検討、検討に検討を重ねたい」と煙幕
柔道男子100キロ級で東京五輪金メダルのウルフ・アロン(28)=パーク24=が30日、都内で取材に応じ、日本代表として最後の試合と位置づけていた12月のグランドスラム東京大会の出場を見送る意向を明かした。
柔道界の人気者の引退ロードは軌道修正が必至となった。かねて来年6月の全日本実業団体対抗大会で引退する意向を公表しているが、個人戦のラストマッチは白紙。ただ、体重無差別で争われる全日本選手権(来年4月29日、日本武道館)への出場の可能性について聞かれると、表情が硬直。「何を言ってるんですか?全日本選手権って何ですか?それは僕が引退する6月よりも前に行われるんですか?」と、ひげをさすりながら煙幕を張りつつ、「ちょっと検討に検討を重ね、検討に検討を重ねていきたい」と否定はせず。6年ぶり2度目の日本一を目指す場合、今回は地方予選からの挑戦になるが、「(正式には)YouTubeの方で発表します」と、新たな引退の花道を示唆した。
この日は、東京・講道館で行われたウクライナのジュニア選手との交流事業に参加。ロシアの侵攻によって練習もままならない約30人の選手に得意技の大内刈り、内股を身ぶり手ぶりで指導し、「僕らが柔道をやれているのは当たり前じゃないと改めて感じた。何かできることがあればという気持ちでの活動だった」と神妙な面持ちで語った。交流会後は自身が用意した箸とサインを1人1人にプレゼントし、ウクライナチームからは伝統のモタンカ人形とウクライナ製のウォッカを贈られていた。