池田向希のドーピング違反疑惑 所属旭化成が否定声明「潔白が証明されるように鋭意対応」暫定資格停止処分の取り消し求める 池田は困惑「全く身に覚えない」

 旭化成は2日、世界陸連(WA)の独立監視部門の「インテグリティー・ユニット(AIU)」が1日、21年東京五輪男子20キロ競歩銀メダリストの池田向希(26)=旭化成=に対してドーピング違反の疑いで暫定的な資格停止処分を下したと発表したことを受けて、否定する声明を発表。暫定的資格停止処分の取り消しを求める申立を行い、AIUに対して「規則違反がないことを主張・立証していく」とした。

 AIUは血液データを蓄積して変化を調べる「生体パスポート」で疑わしい数値を示したとしている。旭化成側は池田へのヒアリングや、専門家の意見を通じて、「規則違反はないものと認識しております」とし、「池田選手の潔白が証明されるよう、今後も鋭意対応してまいります」と主張した。

 池田もコメントを寄せ「今回、全く身に覚えのない理由で今後の試合に出場できないかもしれない状況となり、たいへん困惑しております。6月28日にAIUから通知を受け取って以来、多くの医学専門家、競技関係者、その他関係者の方々にご協力いただき、潔白である事実を根拠とともに訴えてまいりました。今後真実が明らかになり、公正な結論が導かれるよう引き続き努めてまいる所存です」と、戸惑いをつづった。

 池田は東洋大時代の19年に世界選手権で6位入賞を果たすと、21年東京五輪では日本勢過去最高順位となる2位に入り、銀メダルを獲得した。22年世界選手権でも銀メダル。8月のパリ五輪では7位入賞を果たしていた。タレントの「みちょぱ」こと池田美優のはとことしても知られている。

 旭化成によると、今年6月28日にAIUから23年6月から8月にかけての血液検査値から血液ドーピングの疑いがあること、弁明がある場合には所定の期日までに提出すべきこと等の通知を受けたという。その後、7月24日に弁明書を提出。11月1日に暫定的資格停止処分を受けたという。

 血液ドーピングと疑われた事象については「本件は池田選手の体内から世界アンチ・ドーピング機構が公表する禁止表国際基準に記載の禁止物質が検出されたものではありません。AIUでは血液ドーピングを検出するために、池田選手を含む、国際レベルで活動する一部の選手を対象に、定期的に血液検査を行い、血液中のヘモグロビン等の数値を計測しています。そして過去の数値から選手ごとに設定された限度を超える変化が認められ、これが禁止物質、禁止方法の使用の結果であると考えられる場合にはその旨選手に通知し、当該変化が規則違反でないことの弁明を求めることとしています。今回の件は、昨年6月に採取された池田選手の血液検査においてヘモグロビン等の数値が限度を超えて変化したことに関するものです」とした上で「本年6月の通知を受けて、池田選手は、自身の生活情報やトレーニング情報、体調に関する情報や国立スポーツ科学センターで保管されていた池田選手の血液検査データなどの情報を収集するとともに、アンチ・ドーピング研究分野に造詣の深いスポーツドクターや医学研究の専門家の方々にご助力をお願いしました。その結果、専門家の方々からは、池田選手のヘモグロビン等の数値が変動した原因は、当時の池田選手の練習や生活環境および体質、処方薬の副作用等により、血管内溶血や消化管出血が起きていたことによるものであり、血液ドーピングによるものではないとのご見解をいただき、その旨の弁明書をAIUに提出しておりました」と、説明した。

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