“SASUKE俳優”森渉が異例の近代五種挑戦 ロス五輪目指し初の全日本選手権で19位「ノリじゃなく本気」新種目は貫禄1位

 近代五種の全日本選手権に初出場し、最終種目のレーザーランを終え笑顔を見せる森渉
 近代五種で初めて実施された障害物レースに臨み、男子1位となった森渉
 近代五種の全日本選手権に初出場し、最終種目のレーザーランに臨む森渉(中央)
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 「近代五種・全日本選手権」(3日、愛知・安城市SC)

 28年ロサンゼルス五輪から従来の馬術に代わって採用される新種目の障害物レースが国内大会で初めて実施された。TBSの人気テレビ番組「SASUKE」に似たもので、全長約60メートルのコースに雲梯やつり輪など8つの障害物が設置され、フィニッシュ前には高さ3・5メートルの“そり立つ壁”が屹立。本家SASUKEへの出場経験も豊富な俳優の森渉(41)=SEISA=が大会に初出場し、障害物レースでは貫禄の1位に輝いたが、総合では出場23人中19位となった。

 新規参入が難しい馬術に代わり、なじみのある“SASUKE”が新種目となったを受け、近代五種挑戦に踏み切った森が異彩を放った。2日のフェンシングでは22位発進だったが、本命の障害物レースではスピードに乗ってゴールまで一気に駆け上がり、貫禄のトップ通過。ギャラリーをどよめかせた。以降の水泳は22位、レーザーランではバテてきた終盤になかなかレーザー射撃が当たらず苦戦。最後尾から2番目の21位でゴールしたものの、勇敢なチャレンジャーに温かい拍手が贈られた。

 現状の力を出し尽くした41歳は「一番は楽しかった。初めての競技で失うものがないのでワクワクするし、全部が初めてだったので、頭からつま先までそれを味わって帰るという目的は果たせた」と汗を拭った。障害物レースでは貫禄を見せたが、「おこがましいが1位を取らなきゃいけないと思っていたので、最低ラインはクリアできた」と安堵しつつ、初めて5種目を完遂した上での総合19位という現状には「今回の目標は順位じゃなく、課題を1つでも多く見つけることだった。ノリで言っているわけではなく、本気で五輪に行きたいと思っているので」と真剣なまなざしで強調した。

 ◆近代五種 1912年ストックホルム五輪から実施されている競技で、フェンシング、水泳、馬術、レーザーラン(射撃+ラン)の5種目の合計得点を争う競技だったが、28年ロス大会からは馬術に代わり、TBSの人気番組「SASUKE」に似た障害物レース(オブスタクル)が採用される。特色の異なる5つの競技の合計得点を競うことから「キング・オブ・スポーツ」とも呼ばれ、今夏のパリ五輪では男子の佐藤大宗(自衛隊)が日本史上初となる銀メダルを獲得した。

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