坂本花織が今季世界最高で首位「緊張でメイクに支障出るぐらい手が震えた」も貫禄 千葉、青木が自己新で女子も1~3位独占 18年ぶり男女表彰台独占なるか
「フィギュアスケート・NHK杯」(8日、国立代々木競技場第一体育館)
女子ショートプログラム(SP)が行われ、世界選手権3連覇女王の坂本花織(24)=シスメックス=が今季世界最高の78・93点で首位発進を決めた。昨季世界選手権代表の千葉百音(19)=木下アカデミー=が自己ベストの71・69点で2位につけた。昨年5位の青木祐奈(22)=MFアカデミー=は自己ベスト(58・28点)を大幅に更新する69・78点で3位につけた。男子(鍵山、三浦、壺井)に続き、女子も日本勢が1~3位を独占した。
GPシリーズでは、06年NHK杯で男子が1位高橋大輔、2位織田信成、3位小塚崇彦、女子が1位浅田真央、2位村主章枝、3位中野友加里で男女とも表彰台を独占しており、18年ぶり2度目の快挙なるかに注目が集まる。
坂本は赤の衣装で、今季初挑戦のタンゴを熱演。SP「天使の復活/天使の死」ののり、冒頭のダブルアクセルを成功させると、続く3回転ルッツも軽やかに決めた。最後の連続ジャンプも鮮やかに着氷して、演技を終えると、納得したようにうなずいた。優勝した前戦のスケートカナダでの74・97点を大きく上回った。高得点を見届けると、目を見開いておどけらながら笑顔でみせ、日本勢の1~3位に「お~!すごい」と声をあげた。
SP後は「78点出たのはすごく嬉しい。最近は75点を下回っていたので、今回も3-3怪しかったが、ルッツ頑張ってきたので評価してもらえたのかな。予想を上回ったのでビックリした。最初から最後まで落ち着いて集中してできた。会場に入る前から緊張していて、メイクに支障が出るぐらい手が震えてた」と振り返りながら、フリーに向けて「明日仕切り直して集中して最後まで滑り切れたら」と、見据えた。
千葉は3回転ルッツ-3回転トーループの連続ジャンプを成功させると、続くダブルアクセル、3回転フリップも軽やかに決めた。「緊張もしたけど、自分がどうすべきか意識できていた。初のNHK杯、結構好きかもです。優しい声援って感じが。フリーは集中力必要になる今日以上に気を引き締めて頑張りたい」と、充実した表情で語った。
青木は冒頭の連続ジャンプで3回転ルッツで軽度の回転不足の判定だったが、しっかりとまとめきった。「うれしい気持ちでいっぱい。とにかくちょっと緊張があったなかでもまとめて自分らしい演技ができた。皆様の応援が力になった。明日も自分らしい演技を忘れずに、伸び伸び楽しく滑りたい」と、うなずいた。