「神戸新聞社共催・神戸マラソン」（１７日、神戸市役所前～ポートアイランド）

　女子は小川那月（２５）＝スズキ＝が２時間３６分４２秒の自己ベストで初優勝した。２位は兼重志帆（３５）＝ＧＲｌａｂ山口＝で２時間３９分１５秒。男子はキプコエチ・バーナバ（３１）＝ケニア＝が２時間１２分２８秒で連覇し、日本勢は２時間１２分５１秒の金子晃裕（３０）＝コモディイイダ＝の４位が最高だった。

　地元でのマラソンを自己ベストで制した小川は「純粋にうれしい」と笑顔をはじけさせた。兵庫県川西市出身で、川西北陵高から神戸学院大を経て現所属に。３０キロ過ぎから独走態勢に入り「３８キロくらいでキツかったが、一番を死守しないといけないと思って走った。沿道の声援が力になった」と故郷の応援を受けてトップを守りきった。

　フルマラソンは６回目。今年１月の大阪国際女子は自己ベストの２時間３９分３０秒で２３位も、その後は両足アキレス腱（けん）や右内転筋などを痛めて「思うように練習が積めなかった」と苦境を経験した。その後は職場のある浜松市内でパーソナルトレーニング施設に通い、精神的にもフィジカルも改善。「ケガが多いとネガティブな気持ちになることもあったが、今は楽しい」と話す。

　３０００メートルの選手だった大学１年の時、神戸マラソンでボランティアを経験し「同級生が走る姿を見て楽しそうだと思い、マラソンに転向した」と、人生のきっかけとなったレース。昨年はケガのため欠場し、ようやく初出場した大会で月桂（げっけい）樹の冠を手にした。「お世話になった方々に感謝の気持ちをもって、関西のレースを大切にしたい」と喜びをかみしめた。