琴桜が誕生日星で1敗キープ 落ち着き十分の取り口で27歳の門出 先代師匠の祖父に続き大関昇進5場所目での初優勝へ

 「大相撲九州場所・10日目」(19日、福岡国際センター)

 大関琴桜が平幕翔猿を引き落としで下した。誕生日を白星で飾り、1敗で首位を堅持。祖父の先代琴桜の後を追いかけるように、27歳で迎える大関昇進5場所目で初優勝を狙う。大関豊昇龍も琴勝峰を寄り切って、1敗の優勝争いを並走。新大関の大の里は大栄翔に寄り切られて、痛い3敗目を喫した。1敗は琴桜、豊昇龍、平幕隆の勝。阿炎と尊富士が2敗で続く。

 誕生日を白星で飾っても、琴桜は普段と変わらない表情で息を吐いた。「(いつもと気持ちは)変わらないっすよ」。何をしてくるか分からないくせ者・翔猿に対して、立ち合いで相手をじっくり見ながら立ち、右を差されてもどっしりと対応して絶対に慌てない。相手が仕掛ける前に、冷静に回り込みながらの引き落とし。落ち着き十分の取り口で27歳の門出を切った。

 自らバースデーを祝う白星となったが、「場所以外だったら違うかもしれないけど」と浮かれる気持ちは封印。少年時代には父でもある現役時代の師匠(元関脇琴ノ若)に帯同していたこともあり、誕生日は九州で迎えるというのは入門前から変わらない。一方で元横綱琴桜の先代師匠も11月26日生まれ。場所後になることもあったが、誕生日は九州でという共通点がある。

 ただ、担ぎたい験の良さがあるのが27歳の九州場所。先代は27歳になった67年九州場所が新大関で、昇進5場所目の68年名古屋場所で初優勝。琴桜は今場所が昇進後5場所目で、終盤戦を迎えて優勝争いでトップを並走する。

 「追っかけてるみたい。新十両もそうなんですよ」。先代も琴桜も21歳で、いずれも幕下2枚目からの昇進を決めた。験のいいデータを後押しにして、初の賜杯をつかみ取りたい。

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