バスケットボールＢリーグのチェアマンで、日本バスケットボール協会（ＪＢＡ）副会長の島田慎二氏（５４）が１９日、都内で取材に応じ、波紋を呼んでいる米プロＮＢＡの八村塁（２６）＝レーカーズ＝の発言について言及した。現在は八村の代理人を務めるワッサーマンを通じて事実確認を行っている段階で、日本協会は２０日に渡辺信治事務総長が報道陣に対して説明の場を設けると発表した。

　海の向こうで活躍するエースの言葉を受け止め、正面から対応する。ＪＢＡ副会長の島田氏が、八村の発言について言及。「（発言の）事実があって、反響を呼んでいることはポジティブな話ではない。彼の発言の前に、この状況が残念」と率直な感想を口にした。

　騒動の発端となったのは、１３日に行われたＮＢＡのレーカーズ－グリズリーズの試合後における八村の発言だ。ＪＢＡの活動が日本バスケ界の発展を第一に考えているのではなく「お金の目的があるような気がする」とし、続投が決まったトム・ホーバス男子代表監督についても「代表にふさわしい、プロとしてコーチをやっていた人になってほしかった」と語った。

　八村の踏み込んだ言葉に、ネットではＪＢＡの体制や本人の胸中を測る投稿が飛び交い、炎上状態となっている。島田氏は「大事なことは、（八村とＪＢＡで）どのような話し合いがあって、ビジネスに対してのネガティブはどういうものなのか。代理人を通じて事実確認をしている」と現在の対応を説明。発言の裏に隠された真意を整理し、理解することが重要であるとした。

　男子代表は２１日にアジア杯予選（宇都宮）を控えている。八村が協会に苦言を呈する今回の騒動は、２８年ロサンゼルス五輪にエースが参戦するかどうかにも関わる問題に発展しつつある。ＪＢＡとしては、きょう２０日に渡辺事務総長が報道陣に向けて説明することを発表。早急に事態収拾を図る方針だ。