元横綱北の富士さんが死去 82歳 辛口解説でも人気 親方として千代の富士、北勝海の両横綱を育てる
大相撲の第52代横綱で相撲解説者の北の富士勝昭さん=本名・竹沢勝昭=が死去したことが20日、分かった。82歳だった。2022年3月28日に横綱5人目の80歳台になった。
北海道網走郡美幌町出身。1957年初場所、出羽海部屋から初土俵を踏む。64年初場所で新入幕し、いきなり13勝を挙げた。66年名古屋場所後に新大関に昇進した。
67年春場所、初優勝。70年初場所後、玉乃島(横綱昇進後は玉の海)とともに念願の横綱昇進を果たした。
ライバルで親友でもあった玉の海との対戦は22勝21敗。71年秋場所後、玉の海が急死し、「北玉時代」は突然、終わりを告げた。
細身ながら上背があり左四つ右上手が強力。投げ、外掛けと多彩な技も光り優勝10回。輪島、貴ノ花ら若手の台頭で世代交代が進み、74年名古屋場所で現役に幕を下ろした。
引退後は年寄井筒を襲名。77年、元横綱千代の山が亡くなり、九重部屋を継承した。元横綱千代の富士、現八角理事長の北勝海らを育てた。千代の富士が引退後は九重部屋を譲った。理事として審判部長、広報部長、巡業部長を歴任し、98年に退職。NHK相撲中継では歯に衣(きぬ)着せぬ、辛口の解説で人気となった。昨年3月の春場所から体調不良で解説を休養していたが、今年7月の名古屋場所では初日のNHK中継にVTRで出演し力士への期待を述べるなどしていた。
◆横綱の長寿
昭和初期まで生きた初代梅ケ谷の83歳が最長寿。初代若乃花と栃ノ海が82歳、鏡里が80歳と続く。北の富士さんが5人目の80歳台。