早田ひな「120%くらいできた」復帰戦飾れずも笑顔 地元・北九州市で3カ月ぶり復帰「幸せな時間」
「卓球・WTTファイナル」(20日、北九州市立総合体育館)
世界ランキング上位選手で争う大会が開幕し、女子シングルス1回戦でパリ五輪銅メダルの早田ひな(24)=日本生命=はベルナデッテ・ソクス(ルーマニア)に1-3で敗れた。張本美和(木下グループ)は田志希(韓国)に3-1で勝って8強入りした。男子シングルス1回戦で世界ランク7位の張本智和(智和企画)は同5位の梁靖崑(中国)を3-1で破り、準々決勝に進んだ。
早田はパリ五輪大会中に左手首付近を痛めた影響で実戦から離れていたが、出身地の北九州市で約3カ月ぶりに復帰した。左腕には目立たないベージュのテーピングを巻いてコートに立ったが、ブランクからか精彩を欠き、凱旋勝利を挙げることはできなかった。
万全ではないのは明らかで、強打はなかなか打てずミスも目立ったが、ラリーから得点を重ねて1ゲームを奪うなど意地を見せた。試合後は目を潤ませながら「私の中では練習してきたことは全部出せた。1ゲームを取れて、(自己採点は)120%くらいできた」と笑顔で振り返った。敗れはしたものの、地元の温かい声援を背に受けてカムバック。「いつも以上に大きな拍手をいただき、負けているときも応援をいただいて、すごく幸せな時間だった」と感慨を込めた。
左腕は依然万全ではなく、今後の試合予定は白紙。「試合が終わった後にぶり返していないか(を確認すること)が、ひとつの目的だった」と左腕をさすり、「(試合後に)もしかしたら状態が悪いかもしれないし、早く復帰できるかもしれない。医師と相談して決めていく」と強調した。28年ロサンゼルス五輪に向けてようやく第一歩を踏み出した24歳は、「パリ五輪から生まれ変わって、また新たな自分として一つ一つ戦っていきたい。4年後に本物になれるように自分と向き合いたい」と力を込めた。