北の富士さん死去、角界に悲しみ 元横綱、解説でも人気に
大相撲の元横綱で人気解説者だった北の富士勝昭さんの死去が判明してから一夜明けた21日、九州場所開催中の角界関係者は深い悲しみに包まれた。
本場所会場の福岡市博多区の福岡国際センターでは二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が取材に応じ「若い頃から解説で応援していただき、厳しいこともたくさん言われたが、ありがたかった」と故人をしのんだ。大関時代に2人で食事した思い出を語り「『相撲を教えてやる。おまえには遊びが足りないんだ』と。心に余裕がないとか、そういうことを言われていたんだと思う」と述懐した。
北の富士さんの弟子で日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)が師匠を務める八角部屋では、福岡市南区の宿舎で朝稽古が行われた。同理事長は「まだコメントは差し控える」と述べた。
北海道出身の北の富士さんは第52代横綱として活躍。引退後は九重部屋の師匠として千代の富士、北勝海の両横綱らを育て、協会理事を務めた。1998年1月に協会退職後はNHKの専属解説者となり、硬軟織り交ぜた語り口調で長く親しまれた。