北の富士さん死去 NHK中継でも追悼“相棒”舞の海氏は沈痛な面持ちで秘話明かす「その言葉は嬉しかった」

 「大相撲九州場所・12日目」(21日、福岡国際センター)

 大相撲の元横綱で、解説者としても人気を博した北の富士勝昭さんの死去が明らかになってから一夜明け、NHKの相撲中継で追悼した。

 吉田アナウンサーから訃報が伝えられ、7月に放送されたVTR出演の映像も紹介。「このときにはお元気になられたかなと思ったんですが、今月に入って再び体調を崩して、今月の12日、療養中だった都内の病院で亡くなりました。82歳でした」と伝えた。

 相撲中継で、北の富士さんとの掛け合いが“名物”となっていた舞の海秀平氏は沈痛の面持ち。20年以上、ふたりで中継を盛りあげてきたが「またいつか必ず掛け合いができる日がくると信じてここまできたんですけどね。本当にがっかりですね。向正面からぶつかっていなされたり突き返されたり、それが楽しみだったですね」と語った。

 思い出について問われ、「同じ見解なのにわざと反対の意見を話されることもあって、あえて悪役をして私を持ち上げてくれる、そう思う放送のこともありました。ずっと言わなかったが、2人で飲んでいる時に『おれとお前は仲良くしちゃいけないんだ』と。その言葉は嬉しかった。その言葉が思い出に残っています」と肩を落とした。

 元栃東の玉ノ井親方も「お父さんみたいな感じで、愛情を持って接していただいた」と明かし、「聞いてびっくりしましたし、本当に残念」と語った。

 取組再開のタイミングで、吉田アナは「湿っぽいムードは嫌いな北の富士さんでしたので、いつも通りの大相撲放送をお届けしていきたいと思っています」と伝えた。

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