「北の」継ぐ十両北の若が弔い星 北の富士さんにスカウトされ角界入り「孫のようにかわいがってもらった」
「大相撲九州場所・12日目」(21日、福岡国際センター)
十両北の若(八角)が、紫雷(木瀬)を押し倒しで下し、7勝目とした。20日に死去が明らかになった元横綱の北の富士勝昭さんは、スカウトされ、角界に導いてくれた恩師。弔い星を挙げた。
埼玉栄高で高校横綱を含む全国5冠の成績を残し、19年春場所で初土俵を踏んだ北の若。北の富士さんには中学時代から目をかけてもらい、八角部屋に入門した。「孫のようにかわいがってもらった」と語る恩師からは、「北の」の2文字を継いだ。
療養のためNHK大相撲の解説を休場するなど、最近は北の富士さんと直接会う機会に恵まれなかったが、新入幕をつかんだ昨年秋場所後など節目の時には電話で報告してきた。着物の着方、私生活を過ごす姿さえも「心の底からかっこいいと思った」と小学時代から尊敬の念はやまず、全てが憧れだった。
残り3番。相撲に懸命に取り組む姿を見せることが何よりの恩返し。東十両筆頭で迎えている今場所で勝ち越せば、再入幕にも大きく近づく。「恥ずかしくない相撲を取らないと見せる顔がない。頑張っているところを見せたい」。天国までしこ名が届くように、白星を積み重ねていく。